激安服「シーイン」日本での普及への「一番の課題」 フォーエバー21の二の舞にはならないのか
SNSでインフルエンサーが着ているのを見てかわいいと思った服を、中高生が自分のお小遣いですぐに買えるケースはほとんどない。でもシーインなら買える。日本ではこれまで、そうした低価格帯のトレンド服の需要をジーユー、しまむらなどが担ってきたが、そこに新たな黒船が加わったというわけだ。
シーインが日本で事業を開始したのは2020年12月。ファッションメディアでシーインの存在が記事になり始めたのは今年の春頃からだが、Z世代女子の反応はもっと早かった。
2021年夏に日本語版のアプリがローンチすると、Z世代の女性の間で一気に広まり、実際に商品を手にとって確かめたいという声が大きくなっていた。そうした流れを受けて、まずは6〜7月にかけて福岡や広島などの地方主要都市で各2日間の期間限定イベントを開催。10月下旬に大阪で期間限定のポップアップショップを3カ月限定でオープンし、今回の東京の常設ショールーミングストアのオープンに至った。
最大の特徴は「映え」意識した試着室
この店の最大の特徴は、1階の中央にあるフォトブースとコンセプト別の3つの試着室だ。いずれもSNSでの"映え"を意識した構成で、飾り立てられた試着室は無理なく写真撮影できる広いスペースとなっており、中央のフォトブースは試着した服を着たまま撮影ができる。
Z世代の女子がお互いを撮りあってインスタグラムやTikTokに写真や動画を上げ、それを見てかわいいと思った情報の受け手がアプリで買う――この流れを意識した店舗設計なのだろう。お店というよりはSNSでの発信拠点、と捉えるべきなのかもしれない。
東京のお店に並ぶ商品は350点。27体のスタイリングは女性ファッション誌「キャンキャン」のスタイリストが手掛けた。筆者は13日のオープンに先駆けたプレス向けの内覧会で、1時間じっくり時間をかけて商品をチェックしてみた。以下は、40代男性ファッションジャーナリストの主観で、商品を実際に手に取って見た個人的な感想を述べる。
商品のクオリティは予想通り非常に低い。マネキンのルックのプレスはされているが、ラックにかかっている商品は皺だらけのものが多く、おそらく段ボールからそのまま出しただけなのだろう。2009年にフォーエバー21が上陸した時に見たのと同じ光景だ。
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