「日本株買い」は暗号資産市場が混乱しても不変だ 今後の日米の株価は「上昇」「下落」のどちらか
この結果は総合指数が前年比+7.7%と予想外の数字で、9月の同+8.2%を下回った。6月の同+9.1%をピークにCPI鈍化の方向性が確認された。これは大きな買い材料で、NYダウは前日比1201.43ドル(3.70%)高の3万3715.37ドルと急伸。9月30日の安値からは17.37%の上昇となった。
これは、前回の「ついに『日本の失われた30年』が終わりそうだ」(10月31日配信)でも述べたとおり、「NYダウの法則」(12%上がると20%上がる可能性が高く、20%上がると強気相場入りとなる)を裏づけるような値動きとなった。
日米の株価上昇機運に水を差す?「思わぬ伏兵」
一方、NYダウに比べて出遅れていたナスダック総合指数も、半導体などハイテク株の急反発で10月の戻り高値を更新するなど、強さを示している。
それでは、構成銘柄の特性でナスダックに近い日経平均株価はどうか。前週末の引け値である2万8263円57銭は9月末の安値2万5937円21銭から約9%高で、前出のNYダウにも当てはまる「12%のターニングポイント」を超えていない。
だが、大きな関門であった25日・75日・200日移動平均線を上抜け、ほぼ1年間にわたって下降していた200日移動平均線も上向かせた。これは大きなトレンド変換だ。
これで筆者の見通しどおりの相場の姿が見えてきたと思っていたが、思わぬところから伏兵が現れている。8日の中間選挙と10日のCPIに挟まれた9日に突如起きた暗号通貨の急落だ。
暗号資産交換業大手であるFTXトレーディングの流動性危機をきっかけに、暗号資産の価格が軒並み急落。CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン先物の弱気見通しに賭ける「プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテージETF」(BITO)の出来高は、9日に過去最高となった。
一連の混乱を嫌気して、この日は連騰の株式市場に利益確定売りが出て、NYダウは前日比646ドル安となった。選挙の趨勢や翌10日のCPIの動向に気を取られていた市場は、予期せぬ材料に足元をすくわれた感じだった。一時はCPIの伸び鈍化で上昇したかに見えた暗号資産だが、結局FTXトレーディングはグループ会社約130社を含め、連邦破産法11条の適用を申請。事実上経営破綻した。
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