企業の嘘見抜くZ世代に支持されるブランディング 大企業だからという理由だけでは信頼されない

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2つ目は、日本国内の人口減少です。多くの市場において規模の縮小を招き、昔のように大量に売れる機会も減少していくでしょう。大量に売ることが難しければ、安く売る戦略は成り立たなくなっていきます。つまり、付加価値をつけ、高く売っていくことが必要です。この付加価値の源泉がブランドなのです。

3つ目は、デジタル化による情報の飽和です。デジタル化により店舗以外の購入やSNSでの情報収集、オンラインでの商談など、あらゆる購買活動に変化が起きています。

生活者や取引先は、オンラインとオフラインを適宜組み合わせた行動が当たり前となりました。こうした消費活動の変化に対応するためには、もちろん販促・販売手法のデジタル化も必要ですが、それだけでは足りません。大量の情報を持っている、しかも情報を持ちすぎて選べなくなっているユーザーに選ばれる企業・商品であることが重要になっています。そんなとき、ブランドの確立は、ユーザーが商品を選ぶ道標として大きな助けとなってくれます。

4つ目は、少子化による人材不足です。数多ある企業の中で、働いてみたいと思える会社にならなければ、今後ますます優秀な人材の採用は難しくなっていくでしょう。あなたの会社を知らない人があなたの会社と出会い、選ばれるために「会社としてのブランドの確立」がその成否を大きく左右するでしょう。

Z世代に支持されるブランドとは?

デジタル化による消費者の変化において避けられないのが、Z世代への対応です。国内市場では少子高齢化が進むため、若い世代をターゲットにしても仕方ないと考える企業も多いかもしれません。しかし高齢者専門のビジネスをしている会社であっても、高齢者になったばかりの「若い」高齢者が買ってくれないと先細りしていきます。ましてや一般的な企業であれば、やはり若い人をターゲットにした販売戦略が必要でしょう。

国内は少子化傾向にありますが、世界全体を見ればまだまだ人口が増えていく傾向にあります。海外では若い人はまだまだ増えていくのです。日本の少子高齢化対策として、グローバル化を目指すのが1つの方向性でしたから、やはり若い人をターゲットに考える必要があります。

現在の消費動向を考える上で、1998年から2016年までに生まれた「Z世代」が重要とされています。日本では全人口の約14%が該当しますが、アメリカでは約20%を占めています。全世界で見れば、その割合はもっと多く、5年後の2027年では、世界の総人口が約81億人なのに対し、Z世代とその後のアルファ世代の合計が約38億人になると予想されています。つまり30歳未満の割合が45%を超えるということです。

Z世代は、真のデジタルネイティブ世代だとよく言われます。一番年長の世代で10歳のときにiPhone が登場したのです。一番多感で吸収力のある時期にスマートフォンがあったわけですから、彼らよりも上の世代とは比較にならない情報収集力および情報発信力を持っています。嘘の情報を見抜く直観力も持っています。実際、Z世代の支持を得ているブランドは信頼性がひとつのキーワードとなっています。

一方でサステナビリティに関する教育も学校で受けており、SDGsについての理解もうわべではなく、しっかりと身についている様子がうかがえます。したがって社会課題に対する企業姿勢が曖昧なブランドは支持を得にくい傾向があります。

次ページ大手企業だから信頼される時代ではない
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事