福神漬VSたくあん「カレーのお供」巡る意外な歴史 いつから付け合わせに?背景を探る【後編】
1929(昭和4)年にオープンした大阪梅田の阪急百貨店では、洋食のライスすべてに福神漬がつけられていました。なのでカレーライス「にも」福神漬がついていたのです。(詳しくは前編を参照:カレーに「福神漬」を入れる人が知らない"真実")
阪急百貨店開店の1年前、1928(昭和3)年6月20日の時事新報記事「食堂巡り」に、日本橋三越百貨店本店食堂が取り上げられました。そこで注文した若鶏のランチのライスにも、福神漬がついていました。
このように当時の百貨店食堂では、“どこの店でも”ライスに福神漬がつけられていました。阪急百貨店だけではなかったのです。
1928(昭和3)年6月29日の時事新報記事は、東京横浜電鉄(現東急電鉄)の東横食堂の、カツレツご飯、ビフテキご飯、ライスカレーを取り上げています。
洋食を出すレストランは“何處も”福神漬をつけていたのです。
巨大チェーンでも洋食ライスに福神漬がつく
昭和初期に1日最大12万人が利用した巨大チェーン店須田町食堂(現・株式会社聚楽)も例外ではなく、洋食のライスには福神漬をつけていました。
お金がなく、絵のモデルとして生計を立てていた若い頃の歌手・淡谷のり子は、貧乏な絵描きたちとともに創業当初=大正時代末期の須田町食堂に通っていました。
阪急百貨店の「福神漬ライス」と同じく、須田町食堂でも「福神漬ライス」を出していたのです。
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