シリーズを牽引「カローラ クロス」発売1年通信簿 歴史あるカローラにおいてSUVが選ばれる理由
昨年の発売当時にカローラ クロスを試乗した記憶を呼び戻すと、とくに何か大きな特徴がある様子は感じられなかった。しかし、それは悪い印象ではなく、カローラであることの安心が伝わってくる乗り味であった。トヨタ車の所有者は、永年にわたり乗り継ぐ傾向があり、そうした優良顧客にとって、カローラのSUVだという感触はなにより大切な商品性だろう。
運転感覚だけでなく、後席の座り心地も快適で、荷室などの使い勝手においても、これまでカローラに親しんできた消費者が戸惑うことなく利用できる安心や気安さがある。それこそがカローラであること、またトヨタ車らしくあることの最大の魅力ではないか。
ところで、カローラ クロスの販売台数の合計値が、カローラ販売全体のなかでどれくらい占めるかを計算すると、45%以上に達した。ただし、この数字のもとになるカローラ全体の販売台数には、前型のアクシオやフィールダーも含まれている。そこで現行のカローラのみの販売台数に占めるカローラ クロスの販売比率を計算しなおすと、56%強と半数を超えるのである。この比率からもカローラ クロスの人気のほどがうかがえる。
カローラ初のSUVの投入は、大成功といえそうだ。
カローラ クロスのハイブリッド比率
トヨタは、全方位での環境対応を進めるとしている。カローラにおいても、ガソリンエンジン車とハイブリッド車を併売している。カローラ クロスにおけるハイブリッド比率は、79.1%と8割に近い。このハイブリッド車がガソリンエンジン車を上まわる傾向は、現行のカローラすべての車種にもいえる。
かたや、ガソリンエンジン車の販売比率が多いのは、前型のアクシオやフィールダーだ。こちらは、販売車種を絞っての継続販売だが、あえて前型を購入する理由に、5ナンバー車であることに加え、価格の安さもあるだろう。したがって、割高となるハイブリッド車ではなくガソリン車が選ばれていると想像することができる。
現行カローラで、カローラ クロスに次いで販売台数の多いカローラ ツーリングでは、8割を超えてハイブリッド車が買われている。4ドアセダンのカローラでは約62%、ハッチバックのカローラ スポーツでもハイブリッド車が68.7%の比率となっている。
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