シリーズを牽引「カローラ クロス」発売1年通信簿 歴史あるカローラにおいてSUVが選ばれる理由

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サイドビュー
カローラ クロスのサイドビュー(写真:トヨタ自動車)

1997年に初代プリウスが発売されてから25年が過ぎた。そして今、脱二酸化炭素が強く望まれている。そうした時代に、カローラの販売台数で多数派を占めるカローラ クロスやカローラ ツーリングでハイブリッド比率が8割前後という状況で、4ドアセダンやハッチバック車でも6割を超える台数がハイブリッド車という現在、カローラがすべてハイブリッド車という車種構成となってもおかしくないのではないかと私は思う。

ただし、ハイブリッド車はガソリンエンジン車に比べ割高になる。

だが、今日、人々が自分のできる範囲で少しでも脱二酸化炭素につながる暮らしを営むことが求められている。すでに気候変動は起き、各地で自然災害が甚大化している。

そうしたなか、トヨタは、ガソリンエンジン車のアイドリングストップを止めている。理由は、アイドリングストップを好まない消費者があったり、環境基準は満たしていたりするからであるとトヨタの技術者は答えた。だが、一人ひとりが環境を意識した暮らしをすることが望まれる今日、法的基準を満たしていればよいのではなく、たとえ一歩でも環境改善に向かって前進することが大切だ。環境性能を満たしていたとしても、発進と停止が繰り返される都市部でアイドリングストップをしなければ、二酸化炭素排出量は環境基準を超える恐れがある。

国内市場の5割をトヨタは占め、そのなかで、つねに上位3位以内の販売台数を誇るカローラであればこそ、市場を牽引する姿勢がいっそう望まれるはずだ。

今ではセダンではなくSUVがカローラを牽引する存在に

走行イメージ
カローラ クロスの走行イメージ(写真:トヨタ自動車)

日本自動車販売協会連合会の統計による乗用車ブランド通称名別順位でカローラは、つねに3位以内に名を連ね、その半数前後がカローラ クロスであることがわかると、改めてカローラにおいてもSUVであることの重要性が浮き彫りになる。

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ちなみに、カローラ クロスに次ぐ販売台数を占めるのがカローラ ツーリングであり、4ドアセダンのカローラは、13カ月の合計販売台数のうち約8.5%に過ぎない。4ドアセダンの人気が低調であることは、国内で上位3位以内の販売を誇るカローラといえども同様の傾向であるということもわかった。

月々の販売動向を見ると、カローラ クロスの堅調さがうかがえる。発売後1年での成績は上々であり、これからもカローラという車名を牽引していく車種であるのだろう。そのうえで、カローラ全体への期待は、次期型こそハイブリッド専用車種に統一されていくことだ。それによって、カローラへの安心と信頼はさらに盤石になっていくだろう。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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