北の鉄路切り捨て鈴木知事「夕張市長時の問題点」 「攻めの廃線」どころか、衰退が止まらない
小野寺氏は、北海道での鉄道網の縮小についても「日本政府が北海道の領有を放棄しているという誤ったメッセージをロシア側に与えているおそれがある」と警鐘を鳴らす。
2022年2月のロシア軍のウクライナ侵攻以降、鉄道が軍事物資の補給路やウクライナ国民の避難路として重要な役割を果たしていることが明らかになり、防衛省も国土交通省に対し特に安全保障に対する鉄道貨物の重要性について直訴をする事態となった。また、ロシア軍は北海道近海での軍事演習を活発化させており、4月にはロシア連邦議会議員で政党「公正なロシア」党首のセルゲイ・ミロノフ氏が「ロシアは北海道にすべての権利を有している」と発言し物議を醸した。
留萌ー釧路ラインから北側が危ない
ロシアの北海道領土化の野望は、日本が江戸時代だった1700年代後半、不凍港を求め南下政策を進めていたロシア帝国時代に遡り、スターリン政権下の旧ソビエト連邦時代には、1945年の終戦直後、北海道占領も計画された。旧ソ連軍は8月15日の終戦日以降も戦闘を続け、日本の領土だった南樺太と北方領土4島を含む千島列島が占領するが、旧日本軍による自衛戦闘がなければ8月24日に留萌に上陸し留萌―釧路ラインから北側のエリアを占領する計画だった。
2018年、ロシアのプーチン大統領はアイヌ民族をロシアの先住民族に認定する方針を示す。これに呼応するかのように翌2019年、北海道紋別市のアイヌ民族団体「モシリコルカムイの会」はプーチン大統領宛に、「千島列島をアイヌ民族の自治州とし、特に北方領土と知床半島(北海道島)のロシア政府による一体的な保全管理を求める」要望書を提出。ロシアが「自国民の保護」を口実に北海道に侵攻をしてくる危険性が指摘されている。さらに紋別市と接するオホーツク海には核兵器を搭載したロシア軍の原子力潜水艦も常時潜航しているという。
すでに北海道は、中国、ロシア両国のハイブリッド戦争に巻き込まれていると言っても過言ではない。日本の農地面積の26%を占め、カロリーベースで全国に20%の食料を供給する北海道が他国から侵略を受けた場合、日本の食料事情を揺るがしかねない危機が訪れる。そのためにも、北海道の鉄路の維持は欠かせないのだ。
さらに小野寺氏は、日本の安全保障を取り巻く環境が大きく変わる中で「鈴木知事は夕張の一連の件も含めて説明責任を果たさず逃げ回っている」と憤る。鈴木知事は、夕張市の産業破壊と北海道内の鉄道路線の攻めの廃線を確固たる政治信念のもとに行っているのであるならば、自らの口から説明責任を果たしてほしい。
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