サントリー「一線を超えたビール」が意味すること 「ビアボール」は既存のビールの概念を変えるか

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ビール、ビアボール
サントリーのビアボールは炭酸水などで割って飲むという斬新なコンセプトのビール。サントリーは炭酸水3に対してビール1の割合を推奨している(撮影:尾形 文繁)

「ビール」でありながら、既存のビールとは飲み方も、ターゲットとなる顧客層も、そして「競合」も異なるビールが誕生しました。11月15日、サントリーが発売した「ビアボール」がそれですが(業務用は10月4日発売)、この商品は近年、世界の酒類市場で注目されているトレンド「Beyond Beer(ビヨンドビール)」を体現しており、日本のアルコール市場を変える存在になるかもしれません。

氷を入れて、炭酸水で割って飲む

ビアボールは炭酸水で割ることを前提としたアルコール度数16%の強いビール。筆者は発売前、公式に推奨されている、氷をたっぷり入れたグラスにビアボール1に対して炭酸水3の割合で割ったものを試飲しましたが、氷を使っているので温まることはなくキリッとした冷たさが持続し、炭酸水の爽快感も心地よく感じました。麦芽のしっかりした甘みも感じつつ、ホップ由来の華やかな香味もあります。

具体的にビアボールがなぜ、ビヨンドビールを体現しているのか、という説明の前に、ビヨンドビールとは何か、という説明が必要でしょう。ビヨンドビールとは、直訳すると「ビールを超えたもの」となります。

2019年にビール世界最大手、アンハイザー・ブッシュ・インベブが投資家向けの資料でこの概念を発表。同社の考えるビヨンドビールは、①自社のさらなる利益向上が見込める、②自社の既存リソースを活用することで参入可能な、③ビールの隣接領域にある酒類の一群を指します。

ここでいう「既存リソース」とは、ブランディングのノウハウ、パッケージ分野の技術、広域流通網、醸造能力、マネージメント力。消費者の嗜好が多様になっていくのに合わせ、これらを駆使してビールを超えた場所、つまり「自社の強みをそのまま活かせる隣接領域」へも事業を展開して稼いでいこうというのです。

ビヨンドビールの具体的なものとしては、ハードセルツァーやシードル、コンブチャなど、その範囲はかなり幅広いです。

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