逆転の発想、普通のクルマを自動運転化する技術 BMWも導入、レベル5コントロールタワーとは

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自動運転車は、なかなか実用化や普及が進まないのが現状だが、クルマ自体に機能を持たせず、インフラ側で自動運転化するというのは、まさにコロンブスの卵的な逆転の発想。そんな新しい「自動運転システム」を自動車部品・最新技術の展示会「第1回オートモーティブワールド秋(2022年8月31日~9月2日・幕張メッセ)」で取材したので紹介しよう。

どんなシステムなのか、BMWの導入例

車両搬送
工場内自動運転システムを導入しているBMWの車両搬送の様子(写真:BMW)
BMW
BMWでは、ミュンヘンの生産工場で工場内自動運転システムの運用を開始している(写真:BMW)

レベル5コントロールタワーは、ドイツのBMWとソウルロボティクス、スイスのエンボテック(Embotech)の3社が共同開発した工場内自動運転システムがもとになっている。BMWは、2022年7月から同システムをドイツ・ミュンヘンにある生産工場で運用開始。完成したばかりの大型高級セダン「7シリーズ」やBEVの「i7」を、各仕向地へ搬送する前に保管する倉庫へ搬送する業務で活用しており、将来的には同社の全生産工場で導入する予定だという。

BMWの自動搬送システム向けにソウルロボティクスが開発したのが、前述のSENSRという認知プラットフォームだ。それを機軸とするレベル5コントロールタワーには、主に次のような特徴がある。

安全な運行ルート
LiDARなどのセンサー情報を分析し、リアルタイムで安全な運行ルートを計算(筆者撮影)

まず、LiDARや3Dセンサーを生産工場からの移送ルート上や、保管用倉庫など敷地内へ複数台設置する。ちなみにLiDARとは、赤外線などのレーザー光を照射し、物体などに当たって跳ね返ってくるまでの時間差で、対象物との距離などを検知する装置。人や物体の検知を正確にできることで、自動運転車の目としての活用が期待されている。

当システムでは、一般的な自動運転車と異なり、LiDARなどのセンサーを車両には搭載せず、インフラ側のみに設置するため、自動搬送するクルマ自体に特別な装置は不用だ。最終的に各仕向地のディーラーへ運ぶまで、車両に手が入ることはなく、そのまま販売ができる。

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