衆院で黒田日銀総裁「辞めるつもりはない」と反論 「量的・質的金融緩和は失敗は事実に反する」
日本銀行の黒田東彦総裁は18日、円安進行を含めて量的・質的金融緩和は失敗だったとして直ちに辞任するよう求められたのに対し、「辞めるつもりはない」と述べた。衆院予算委員会での階猛氏(立憲民主)への答弁。
階氏は円安阻止へ為替介入も実施した政府と円安を加速するような低金利政策を2013年以降続ける日銀との食い違いを指摘し、金融政策の正常化・柔軟化に向けて即刻辞任すべきだと質した。これに対し、黒田総裁は「異次元の金融緩和はデフレを解消し、成長を回復し、雇用を増加するという意味で効果があった」と説明。「量的・質的金融緩和が全く失敗したということは事実に反する」と主張した。
総裁は、金融緩和を行わなかった場合と比べて実質国内総生産(GDP)は平均プラス0.9-1.3%程度、消費者物価の前年比は同0.6-0.7%程度押し上げられているとの計量経済的な分析結果も示して強く反論した。
岸田文雄首相は、政府と日銀との政策連携に関する13年の共同声明について「見直しは今、考えていない」と言明。金融政策は為替だけでなく総合的に勘案して判断すべきだとした上で、具体的には日銀が責任を持って対応すると説明した。日銀との連携をしっかり深めて政策を進めたいとも語った。
黒田総裁の他の発言
- 最近の円安進行が輸入物価の上昇をもたらしている
- 来年度以降の消費者物価は2%を下回る
- 金融・為替市場動向と経済・物価への影響を十分に注視
- 為替変動や国際商品市況の動向は先行き不確実性が高い
- 実質実効為替レートの円安は長期の物価低迷も背景
- 今の時点で金利格差が影響しているように見えるの事実-ドル・円相場
(詳細を追加して更新しました)
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著者:伊藤純夫
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