池袋や渋谷の「公園」で起きている画期的な変化 「南池袋公園」「ミヤシタパーク」はなぜ凄いのか

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まとめると、これからの都市は、「人口増加、通勤を伴う業務・商業の集積」ではなく、「人口減少、EC・テレワークの進化」を前提にするため、業務や商業機能に代わって、わざわざ通い集う目的となる機能・空間が求められるのではないだろうか。

中心・舞台としての役割が求められる

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私の所属する研究会FIACS(一般社団法人「国際文化都市整備機構」)では、このような動向を踏まえ「繰り返し訪れる人が多い街=魅力ある街」と定義し、総合的な街づくりのカルテとなる「エリアクオリア指標」を作成している。

このエリアクオリア指標の視点でこれからの都市公園を考えると、現状の緑化・保全、健康増進などの「余白的な役割」から、都市のさまざまな活動の「中心・舞台としての役割」を担うようになると想定される。

街の居間・ディスティネーションとしての公園づくりが、まさに求められている時代になっているのだ。

松岡 一久 国際文化都市整備機構(FIACS)理事

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まつおか かずひさ / Kazuhisa Matsuoka

神戸大学工学部卒、一級建築士。株式会社 環境事業計画研究所、株式会社SCIを経て、1991年浜野商品研究所(現・北山創造研究所)に入社、2007年株式会社 エナジーラボを設立。北山創造研究所でプロジェクトディレクターとして、大型複合商業施設 海老名ビナウォーク、横浜ベイクウォーターなど、20余りのプロジェクトを担当。エナジーラボ設立後は東急プラザ銀座、東京ボードシティ竹芝をはじめ、ディベロッパー及び鉄道各社の地域連携・ビジネス創造等、都市開発に伴う建設以外のソフトなインフラストラクチャーの企画・開発を手掛けてきた。NPO法人ピープルデザイン研究所 ファウンダー、株式会社Energy Labo (エナジーラボ)代表取締役。

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