「40~50代からの後半生」充実する人しない人の差 毎年1テーマ勉強を10年続ければ10領域に精通
②年次計画を立てる
次に、年次計画です。40代の頃は毎年つくっていました。次の図が、2010年の私の年次計画です。
年次計画には、中期計画の大事なポイントを記すのも重要です。特に、その年に達成したいことをできるだけ具体的に書くことをお勧めします。そうすれば、その年のあいだにときどきこの紙を眺め、達成できたことを赤ペンで記し、不要な項目を消していくことができます。
例えば、私の2010年。那須への家族旅行を実現できれば、那須に行った日付と訪問した先を書き込んで、その箇条書きの項目を赤線で消しました。そんな作業を続けるうちに、本当に自分がやりたいことが自然に見えてきて、本音の自分と向き合えるようになるのです。
まったく実現できなかったものもある
「ああ、どうしてもやりたいのは……」
日々に忙殺されて感覚が鈍くなっている自分に、本当に欲しているものを教えてくれるのも、やはり自分自身なのです。こうして振り返ってみると、まったく実現できなかったのは「ピアノを弾けるようになること」ですが、これはどうやら一生叶いそうにありません(笑)。
さて、『至誠敬愛 一燈照隅』と冒頭にありますが、これは私の座右の銘。造語です。
「そうだ、座右の銘を決めよう……」
ある年そう思いつき、いろいろな言葉を探しました。愛読書、好きな映画のセリフ、それこそ歌詞からことわざまで、半生を振り返りながら言葉めぐりをしたのです。
その結果、行き着いたのが「至誠敬愛」でした。自分にとって「正しい」とは何か。その答えが、「誠」「敬」「愛」だったからです。立場や時代を超えて、この3語は決してゆるがない軸である気がしたからです。
「一燈照隅」という言葉は、愛読書である藤尾秀昭著『小さな人生論』(小さな人生論シリーズ/致知出版社)で知りました。もともと中国の古い逸話が由来の言葉で、最澄が唐から持ち帰ったものだと言われています。
「車の前後を照らす直径一寸の玉が十枚ある。これが私の国の宝だ」と魏王が言ったのに対し、
「そんな玉は私の国にはない。だが、それぞれの一隅をしっかり守る人材がおり、それぞれが自分の守る一隅を照らせば、車の前後どころか、千里を照らすことができる。これが国の宝だ」
と斉王が言ったという――つまり、それぞれが自分の立場で、それぞれの最善を尽くせばよい、ということです。1人ひとりが国の宝だ、ともこの言葉は語っています。
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