最近、話題のノンシリコン系シャンプーにも植木医師は警鐘を鳴らす。ノンシリコンは髪や地肌にやさしいイメージもあるが、シリコンが入っていないことで髪がきしんだり絡んだりしてしまいやすいという。
植木医師は「シリコンは食品でも認められている安全なもの。かゆみが出たりしないかぎりは、シリコン入りのほうが髪をなめらかに洗い上げやすく、髪同士の摩擦を抑え、髪が絡まって抜けてしまうのを防ぐ効果もあります」と話す。
洗髪の回数も、よほど汗をかく季節以外は1日1回で十分。秋や冬、あるいはそれほど汗をかかない仕事や生活をしているのであれば、2日に1回でもいいという。
「ちょっと髪や頭皮の臭いが気になる、髪に付いたヘアスプレーを落としたい、といった場合はシャンプーを少量にして1日1回洗ってもいいでしょう。1日2回洗いたいなら、1回はお湯ですすぐだけにしましょう」(植木医師)
薄毛予防には、洗髪後はしっかり頭皮を乾かすことも大切だ。地肌を濡れたままにしておくと、頭皮が蒸れて常在菌が繁殖しやすくなり、皮膚炎が起こりやすくなる。また、濡れた髪はすごく切れやすいため、濡れたままで放置すると薄毛などの頭皮トラブルの元になるという。
「タオルドライをした後、できるだけ髪が熱くなりすぎないように、早めにドライヤーで乾かしてください。毛先まで乾かさなくてもいいので、とくに髪の根元の地肌はしっかり乾かしてほしいです」(植木医師)
髪のためにはカラーリングとパーマは同じタイミングを避け、カラーリングの間隔はできれば1カ月以上は空けたほうがいいという。白髪染めなどでどうしても1カ月以内に次の毛染めをしたいという人は、ヘアマニキュアやカラートリートメントなど、外側からコーティングするものなら髪を傷めないのでおすすめだという。
外用薬と食事、睡眠の見直しを
女性の脱毛症に対する治療の選択肢は、男性の薄毛治療よりも少ないとされている。効果的な治療法はあるのだろうか。
「女性の薄毛治療は外用薬(ミノキシジル、商品名リアップ)のみです。女性の薄毛はタイプを判別しにくいのですが、どのタイプの薄毛でもおおむねミノキシジルが効きます」(植木医師)
ミノキシジルというと男性の脱毛に使われる薬剤と思いがちだが、実は女性用もある。血管を拡張して毛の細胞の活動を高め、毛の細胞の数を増やす作用があることがわかっている。
「とくに明らかな薄毛の症状が出ていなくても、つむじや分け目、髪のボリュームなどが気になりはじめたら、お手入れの一環として使い始めてもいいと思います。気になる症状がそれ以上進みにくくなる効果が期待できます」(植木医師)
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