コロナとインフル「同時接種」副反応はどうなる? この冬いよいよインフルエンザとの同時流行か

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一方、インフルエンザはこの2年間、人々にすっかり忘れられた存在だった。本当に今季は復活するのか? 以前の記事(水際対策緩和で「夏にインフル流行」3つの理由)で、インフル流行の前提となる懸念材料を3つ挙げた。改めて記すと以下のとおりだ。

① 水際対策の大幅緩和 ⇒ 海外から感染症が流入

② 南米やオーストラリアでインフルが早期流行

③ 2期連続の流行消失によるインフル免疫の低下

今まさにこの状況がそろったと言える。

世界保健機関(WHO)によれば、南半球では流行が落ち着いてきた一方で、アフリカ、アジア、アメリカの一部地域で小さな流行が見られる。例年並みなら11月頃から国内流行が始まって1~2月に患者が最多となるが、今季はピークが早まる可能性も大いにある。

実際、今年6月には東京都立川市でインフルエンザによる学年閉鎖があり、ナビタスクリニック立川でも患者が出た。8月のコロナ流行期にも、ナビタスクリニック新宿で何人ものインフルエンザA型の感染者を診断した。ウイルスは十分に日本国内に入ってきている。

9月半ばからは再び全国各地で集団感染が報告されており、季節とともに気温が低下すれば、感染者は着々と増加するはずだ。

大なり小なり同時流行は免れそうにない。

順序を問わず、とにかく速やかに打つ

そんな中、オミクロン株(BA.1)対応のワクチン接種が9月20日に始まった。インフルワクチンは10月1日から接種可能となる。

「でも、あんまり早く打つと、年越しまで効果が持たないのでは?」と心配する人もいるかもしれない。

たしかに、現在主流のオミクロン株BA.5系統に対し、従来ワクチンの効果は想像以上に短くなっているようだ。感染予防効果が高く続くのは約2カ月間、重症化予防効果でも約3~4カ月間という最新の研究結果が出てきた。

オミクロン対応ワクチンで、それがどれだけ引き延ばせるのかはまだわからない。

ただ、最後の新型コロナワクチン接種から5カ月以上経過している人、そして過去2シーズン、インフルエンザの予防接種を受けていない人は、すでにほぼ丸腰だ。

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