コロナとインフル「同時接種」副反応はどうなる? この冬いよいよインフルエンザとの同時流行か
新型コロナとインフル両ワクチンの同時接種も、アメリカやイギリスでは1年以上前に解禁となっている。その有効性・安全性についてのエビデンスも、今年1月までに出揃った。
ファイザーの新型コロナワクチン(2回目)とインフルワクチンの同時接種については、昨年11月に『The Lancet』誌に安全性と有効性に関する研究が発表された。局所または全身の副反応の発生率は、単独接種と比べて上昇せず、安全性に問題はなかった。
新型コロナウイルスに対する抗体価(有効性)にも影響は見られなかった。インフルエンザの一部の株に対してはむしろ、抗体価の上昇も見られた。
モデルナの新型コロナワクチン(3回目)とインフルワクチンの同時接種についても今年1月、同じく『The Lancet』誌に発表された研究で、安全性と有効性が確認された。
接種から3週間以内に報告された有害事象(副反応を含むすべての不快症状)は、同時接種で17.0%、コロナワクチン14.4%、インフルワクチン10.9%で、同時接種に突出した問題はなかった。また、単独接種と比べて、どちらのウイルスに対する抗体価も低下は見られなかった。
バイデン氏「パンデミックは終わった」
こうして「同時接種には何ら問題がない」との研究結果が示されてから、厚生労働省は半年以上も新型コロナとインフル両ワクチンの“2週間ルール”を放置していた。急に同時接種を認めた背景にあるとされる「同時流行」は、本当に起きるのか?
新型コロナについては9月18日、アメリカのジョー・バイデン大統領が「パンデミックは終わった」と発言して話題になった。しかし実際、アメリカCDC(疾病予防センター)の発表では、同国では今なお1日に約6万人が新たに感染し、400人近くが亡くなっている。
もっと言えば、全世界では毎日40万人超の新規感染者が出ている。世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長の言うように、新型コロナはようやく「終わりが視野に入ってきた」という段階にすぎない。第8波は来る、ということだ。
過去2シーズンを振り返ると、冬(11月下旬以降)に流行の波がやってきた。日本でも水際開放は既定路線だから、おそらく第8波は年越しを待ってはくれないだろう。
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