ワクチン開発「DX先進企業」が先を行く真の理由 人間の本質に迫る、革新的AI活用アプローチ

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DX先進企業が実践する「IDEAS」フレームワーク 

ファイザーやモデルナがいち早くデジタルモデルを構築できていた理由として、「IDEAS」のフレームワークを採用していたことがあります。イノベーションを転換する「IDEAS」の各要素は以下です。

Intelligence:知能

今後、機械はよりいっそう人間の感じ方、考え方、行動を模倣するようになります。多くの先進的な研究機関や企業は、より人間の根源的な能力に近く、実用的で適応性の高い、推理能力や汎用的な学習能力を持つアプリケーションを生み出しつつあります。今日本でも普及してきたディープラーニング技術の活用だけで満足することなく、日本企業もより人間中心のアプローチを強化する必要があるでしょう。

Data:データ

これまで最新AI技術は一般的に、膨大な量のデータとCPUパワーを必要とし、多くの企業にとってはハードルの高いものでした。しかし今、少ないデータで、処理速度も速く、柔軟性も高い、手頃な価格のAIが登場しつつあります。日本企業はこの新しい流れをいち早く捉えるべきです。これまでの莫大なデータを持つ米中の企業が圧倒的に優位な状況から、大量のデータを持たない企業にもチャンスが訪れるこの契機を逃すべきではありません。

Expertise:専門性

これまでは、膨大なデータを処理することで「学習」するAIが主流でしたが、これからは人間が経験や知覚、直感に基づき機械に教える(マシンティーチング)ことが一層進むことでしょう。日本では高齢化に伴い、希少な匠の技術を始めとする長年蓄積してきた知見をいかに伝承するかが課題となっていますが、こういった人間によるマシンティーチングを実践すべきフィールドが日本には溢れています。日本でこそ世界に先駆け、そのAIの活用ステップを進化させる必要があります。

Architecture:アーキテクチャ

従来のレガシーシステムに取って代わるのが、変化に柔軟に適応できる「リビングシステム」であり、クラウドのパワーや弾力性を利用し、それをAIやエッジコンピューティングと組み合わせることで、ビジネスの新時代を生み出すことが可能となります。新型コロナウイルスのパンデミックを経てDXが進んでいますが、果たして、テクノロジーとビジネス戦略を同じ方向に向かせる全体論的なアプローチが取れているでしょうか。単なるデジタル化ではなく、レガシーシステムからリビングシステムへの転換ができているのか、今一度そのシステムアーキテクチャを見直すタイミングを、多くの企業が迎えています。

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