ワクチン開発「DX先進企業」が先を行く真の理由 人間の本質に迫る、革新的AI活用アプローチ

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ファイザーとモデルナがいち早く新型コロナワクチンを開発できた背景とは(写真:Graphs/PIXTA)
新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンの接種が日本でも始まっている。そもそも2020年秋の段階で、ファイザーとモデルナがいち早く新型コロナ対応のメッセンジャーRNA(mRNA)を利用したワクチンを開発できた背景には、薬剤の設計や製造のあり方を大きく変えるデジタルモデルがある。ワクチン開発に限ったことではないが、なぜ日本企業の多くがデジタルテクノロジーの力を活かしきれていないのか。
欧米のDX先進企業に日本企業が学ぶべき企業変革の新たなフレームワークについて、『RADICALLY HUMAN ラディカリー・ヒューマン 人間の本質に迫る、革新的AI活用のアプローチ』の監修者が解説する。

見直されるサプライチェーンのあり方

今世の中は、新型コロナウイルス感染症の流行や、ウクライナを中心とする世界情勢の変化、急激な円安など、大きな転換点を迎えています。コロナによるパンデミックを受け、世の中のデジタルトランスフォーメーション(DX)は一気に加速しました。地政学的リスクや、近年稀に見る円安を受けて、サプライチェーンのあり方も大きく見直されるべき時にきているのです。

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こういった変化を迎える以前から、日本は世界に先駆けて少子高齢社会を迎え、人工知能(AI)やロボットの活用は、経済成長を維持するために必須でしたが、この必然性は近年一層高まっています。世の中が急速に変化し続ける中で、企業のあり方も変化を遂げ、これまで見たことのない未来の姿が今、急速に見えてきました。

例えば、テスラの「フォーエバー・ベータ戦略」では、テスラの車とテスラ社とがフィードバックループを形成し、絶えず運転や走行に関する情報をやりとりし、その車を誰かが運転するだけで、テスラのニューラルネットワークが訓練される仕組みになっています。その結果、車の所有者は車の価値や有用性が絶えず向上していくのを体験できるのです。

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