ワクチン開発「DX先進企業」が先を行く真の理由 人間の本質に迫る、革新的AI活用アプローチ

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Strategy:戦略

もはやすべての企業がテクノロジーを抜きに企業経営を考えることはできません。現在では、世の中のほとんどの企業が、多かれ少なかれテクノロジー企業となりつつあります。これまでは、AIや関連技術を部分的に導入することが主流でしたが、もはやテクノロジーと戦略は一体となり推進する時代を迎えています。日本は経営者・IT部門・業務部門の連携が不足していたり、経営層のテクノロジーリテラシーが低いという調査結果をしばしば目にします。実際に多くの経営者と接する中で、企業戦略にテクノロジーを深く結びつけ、単なる技術による効率化を超えた、斬新な企業戦略を実行することには高いハードルを感じているという意見を多く耳にします。スモールスタートでも、重要な業務プロセスでAIをはじめとする先進テクノロジーの活用にまず着手し、その効果を、経営層と業務現場の両方目線で実感することが重要です。

未来を勝ち抜くための4つの領域

また、未来を勝ち抜くためには、 “人材”、“信頼”、“体験”、“持続可能性”の4つの領域についても考える必要があります。「IDEAS」のフレームワークが縦軸として指針となるとすれば、これら4つの領域は横軸として考えるべきものといえるでしょう。

人材

多くの企業がテクノロジー企業へと変貌を遂げる中で、先進テクノロジーに対する従業員のスキルが、企業にとっての大きな差別化要因となります。労働力不足且つ人口減少社会の日本においては、より一層人々のテクノロジースキルが問われるようになるでしょう。日本では生産人口の減少が進み、この日本の状況を他の国々も追いかける中で、日本が先行して先進テクノロジーからその潜在能力を引き出すことができるか否か、世界からも注目されています。日本企業は、テクノロジーに関する革新的なスキル訓練プログラムに資金を投じて、従業員にデジタルリテラシーを超えたデジタルフルーエンシー(活用能力)を身につけさせることができるか否かが問われています。

信頼

日本には古くから「三方よし」の思想があるように、古くから「社会正義へのこだわり」を重視しています。またものづくり文化の中で強い品質へのこだわりや、おもてなし文化に代表されるように、海外から見た物やサービスに対する信頼は高いと言えます。この強みをデジタル時代の信頼に必要な5つの要素“人間性”、“公平性”、“透明性”、“プライバシー”、“セキュリティ”と融合させることで、単なる倫理的な信頼だけでなく、今の時代にふさわしいテクノロジーに裏打ちされた信頼を獲得するべきでしょう。

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