「一見さん」には難易度高い?京都ご当地鉄道事情 目的地への行き方を調べるのも観光の醍醐味

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と、いつの間にやら京都観光も京都の端っこまで来てしまったが、まだまだ京都市中心部の旅も残っている。

京都駅から烏丸通の地下を走る地下鉄烏丸線が、御池通付近で十字に交差しているのが同じく市営地下鉄の東西線。東は山科を経て六地蔵、西は二条城の脇を抜けて太秦天神川までを結んでいて、文字通り京都市の中心部を東西に貫く路線だ。そして太秦天神川で接しているのが京福電気鉄道、いわゆる“嵐電”である。

嵐電は四条大宮から嵐山までの嵐山本線と北野白梅町から帷子ノ辻までの北野線の2路線から構成され、ところにより併用軌道も含まれるいわば路面電車。国宝の弥勒菩薩半跏思惟像がとみに有名な広隆寺の門前も、併用軌道で横切ってゆく。広隆寺最寄りの太秦広隆寺駅、広隆寺の脇には京都観光の目玉の1つ、東映太秦映画村も広がっている。

終点の嵐山駅は、もちろん嵐山観光の拠点となるターミナルだ。この嵐電の嵐山駅から南に進んで渡月橋を渡れば阪急電車の嵐山駅、逆に北に進んで路地に入って東方面に少しうろつくと、JR嵯峨野線の嵯峨嵐山駅へ。オオサンショウウオのお見送りがなぜか話題沸騰の嵯峨野観光線は、山陰本線の旧線を使って嵯峨嵐山駅隣接のトロッコ嵯峨駅から保津川沿いにトロッコ亀岡駅までを結んでいる。

JR嵯峨野線
嵐山の竹林の中をゆく嵯峨野線。保津峡駅のホームからの絶景もみどころ(撮影:鼠入昌史)

京都はまだまだ広い

かようにして、いつの間にやらすっかり京都市内の鉄道を巡り終えてしまった。銀閣寺や上賀茂神社、下鴨神社など、鉄道ではどうしてもカバーしきれない範囲の観光スポットもまだまだ多い。

が、どこかの鉄道駅から歩こうと思えば不可能というほどでもないので、あえての鉄道縛り京都観光なども悪くないのではなかろうか。四方を山に囲まれた京都盆地は、夏は蒸し暑くて冬は底冷え。紅葉の秋が、いちばん観光にぴったりのシーズンなのだ……。

で、終わろうと思ったのだが、“京都府”というくくりでいえばまだまだ鉄道は続いている。京都府というのは南東から北西へと細長い形。そして京都駅を中心とする京都市の市街地は全体で見れば南の端っこに近い。つまり、北へ北へと線路は延びている、というわけだ。

その北に延びる線路が山陰本線。上夜久野―梁瀬間で兵庫県に入るまで京都府内を走り続ける。途中、綾部駅ではかつての海軍の町・舞鶴へと向かう舞鶴線が分かれる。次いで福知山駅は、尼崎から北進してくる福知山線と接続し、さらに北へと京都丹後鉄道(丹鉄)も通る京都北部の交通の要衝だ。

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