遊べる軽商用バン、新型スペーシアベース対N-VAN スズキ新型とホンダ売れ筋、選ぶならどっち?

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シートアレンジ
N-VANの多彩なシートアレンジ(写真:本田技研工業)

また、前席の背もたれを起こした通常仕様のままで、2列目シートの背もたれだけを倒した2名乗車時の荷室床面長も、スペーシア ベースが1375mmなのに対し、+STYLE FUNは1510mm。さらに荷室幅(4名乗車時)もスペーシア ベースは1265mmなのに対し、+STYLE FUNは1390mmで、橫幅も+STYLE FUNのほうが広い。荷室高のみ、1405mmのスペーシア ベースのほうが、1365mmの+STYLE FUNよりやや高い。

だが、これらデータを総合してみると、荷室をより広く使えるのは、やはり+STYLE FUNだろう。スペーシア ベースも、2列目シートの背もたれを倒した場合に、シートと荷室の隙間を埋めるフルフラットカバーを装備し、かなり工夫はしている。だが、やはりホンダ独自のセンタータンクレイアウトが持つ強みもあり、荷物を積める量や、さまざまな形状や大きさの積載物に対応する広さを持つのは、+STYLE FUNだといえる。

大きな荷物を載せるならN-VANが有利

筆者が実際に愛車のN-VANにバイクを載せたときの写真(筆者撮影)

なお、両モデルの最大積載量(2名乗車時)は、スペーシア ベースの200kgに対し、+STYLE FUNは350kg(4WDは300kg)と、100~150kgも重い荷物を積める。レアケースではあるが、筆者が+STYLE FUNを選んだ理由もまさにこうした点からだ。650ccのバイクを積んで、サーキット走行を楽しむためのトランスポーターとしても使っている。筆者が所有するバイクはホンダ「CBR650R」というモデルで、車体サイズは全長2120mm×全幅750mm×全高1150mm、車両重量は206kgある。+STYLE FUNは、助手席までフラットにすれば、積載できるスペースが(ギリギリだが)あるし、最大積載量も余裕で確保する。また、バイクを固定するために必要なタイダウンベルト(長さ調整ができる積載用ベルト)を掛けられる荷掛けフックが計8カ所にあるため、使い勝手はかなりいい。

スペーシア ベースでは、荷掛けフックがないし、そもそも、ここまで大きなバイクの積載は荷室のスペース的に無理だろう。ただし、自転車や小柄な原付バイクなどなら車載はできる可能性はある。ちなみにスペーシア ベースは、荷台のフロアが樹脂製だ。対する+STYLE FUNの荷台フロアは、2列目シートの背もたれと同様の素材のため、少し柔らかい。汚れても掃除がしやすい点は同じだが、+STYLE FUNでは、バイクや自転車などを載せる場合、車輪が沈みやすく、安定しにくい場合もある(筆者はベニア板で自作したフロアボードを荷室に敷いて対応している)。

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