鹿児島から広島へ「九州&山陽」新幹線の乗り心地 800系と山陽―九州直通用N700系を比べると?

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山陽―九州新幹線直通用のN700系は、指定席車両が通路の左右とも2人掛けの2&2シートで、800系と対照的に分厚くどっしり感がある。そこにJR西日本ベースを感じるものの、要所要所の木はJR九州テイスト。日除けはカーテンだが柄は和の波模様で、両社の合作を伝えている。

6号車は半室グリーン車で、貫禄や落ち着きとともにコンパクトな空間に特別感がある。ここもカーペットの草花文様がオリエンタルな雰囲気で、「スマートな新幹線」といった通念を覆す。16両編成のN700系(現在はN700A)にはないレッグレストが、こちらにはある。

一方、後部1〜3号車の自由席は片側2人、片側3人掛けの座席で、色柄はともかく、特段のぜいたく感はない。自由席に限定される定期利用でないならば、ここは指定席で寛ぐほうが圧倒的に満足する。

喫煙ルームが設けられたのもN700系からで、800系など以前の形式は喫煙車・禁煙車の区分であったから、それらは今、列車内が完全禁煙となった。コンセントが普通車では窓側席に、グリーン車は全席に拡大した点も、時代の要求の反映である。さらに乗務員や常連客でなければなかなか気付かない点に、空調の効きもあるようだ。

博多で会社をまたぎ放送にも変化が…

博多から山陽新幹線に入る。乗務員はJR西日本に交代したので放送の流儀が変わり、自動放送から始まる。英語放送はあるが韓国語と中国語は消えた。一方、頭のチャイムはJR九州オリジナル曲だったので、改めてJR九州保有の編成と意識した。JR西日本保有の編成ならば九州新幹線内から『いい日旅立ち』が流れるのだ。

『鉄道ジャーナル』2022年11月号(9月20日発売)。特集は「鉄道150年 その先」(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

ざっと3分の1の乗客が入れ替わり、博多を出たのは10時43分。指定席は窓側が埋まり、通路側がちらほら相席に。車窓には白地に青帯の長編成列車が現れ、速度も九州新幹線の最高である時速260kmから時速300kmに高まる。

小倉から新関門トンネルを介して本州に入り、新山口でも割と多くの乗降を見る。新型コロナは第7波に見舞われることになったが、行動の抑制はかけられていないので人の動きは復している。ただし、それでも7割程度だ。

トンネルの中、どこかの席から小さなアラーム音が聞こえると広島到着を告げる放送が始まった。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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