契約者の払う保険料にも影響か
ここで押さえておきたいのは、今回のビッグモーターをめぐる不正請求の問題が、ビッグモーターとの取引の有無にかかわらず、3社の自動車保険の契約者全体に影響が及ぶかもしれないという点だ。
杞憂に終わるかもしれないが、もし不正請求が過去を含めて組織的かつ大規模に行われていた場合、損保会社にとって費用となる保険金が必要以上に膨らんでいたことになる。そうすると、自動車保険の契約者が支払う保険料の計算に影響していた可能性があるわけだ。
それゆえ、不正請求被害の全容解明に向けた調査は損保会社として不可欠なはずだ。自動車保険の契約獲得という営業成績の維持向上を狙って、それをおざなりにしていたとすれば、損保ジャパンだけでなく、業界全体の信用問題にも発展しかねない。
折しも損保業界は、特定修理業者を通じた火災保険金の不正請求が社会問題化し、業界を挙げて撲滅に取り組んでいる真っ最中だ。
現在、日本損害保険協会の協会長を務めている損保ジャパンは、その先頭に立って不正請求と対峙しているはず。ビッグモーターの不正請求問題に対しては協会長として、また個社としてどう向き合うのか。顧客本位とはほど遠い対応を続けていると、業界が築き上げてきた信用に大きな傷をつけることになる。
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