安倍氏国葬の水面下で動く「後継選び」複雑な思惑 来年の衆院山口4区補選をめぐる駆け引き

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衆院山口4区補欠選挙の後継候補選びに注目が集まっています(写真:JMPA代表取材)

故・安倍晋三元首相の「国葬」をめぐる騒動で岸田文雄首相が苦境に陥る中、安倍氏死去を受けて来年4月実施が見込まれる衆院山口4区補欠選挙の後継候補選びが、永田町でひそかに注目されている。

山口県は1票の格差是正のための小選挙区定数「10増10減」案の定数1減の対象県で、次期衆院選までに新たな区割りの3小選挙区となることが確実。しかも現4区は、安倍氏と林芳正外相にとって、それぞれの祖父の代から激しい地盤争いを続けてきた選挙区だ。

それだけに、現行の区割りで実施された補選で“安倍後継”が当選すれば、地盤奪還を狙う林氏との間での次期衆院選公認候補争いは難航必至。「当然、党本部が乗り出さざるをえないが、政局絡みの事態になりかねない」(自民選対)のが実態だ。

定数減の山口と和歌山の同時補選が「頭痛の種」に

安倍氏が7月8日に死去したため、通例なら同区補選は衆参統一補選の1つとして10月23日実施となる。ただ、昨年10月の衆院選「1票の格差」をめぐる訴訟の最高裁判決が年末以降となることが確定したため、公職選挙法の規定などから、来年4月23日への先送りが確実となった。

さらに、山口4区と同様に定数1減の対象の和歌山県でも、議員辞職に伴う衆院和歌山1区補選の実施が決まっているが、同様の理由で先送りされる。しかも、この補選も、二階俊博前幹事長と、衆院鞍替えを狙う世耕弘成参院幹事長の地盤争いが激化しており、両補選が党執行部の頭痛の種となっている。

そうした中、すでに地元山口では安倍氏死去直後から、誰を後継候補に擁立するかで、安倍後援会を中心とした水面下の調整が活発化している。安倍氏は同区で圧勝を続けてきただけに、「地元後援会が全面支援すれば、誰が出ても当選確実」(自民県連)とみられているが、後継選びは「安倍氏の実母で安倍家のゴッドマザーと呼ばれる洋子氏(故・岸信介元首相の長女)の意向次第」(同)とされることが事態を複雑化させている。

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