壮大な「単なる買い戻し相場」が来るかもしれない 「経済は不振=株価は上昇しない」とは限らない

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ところが(為替はともかく)株式市場の反応としては、先週だけでも豪州、カナダ、ユーロ圏といった先進諸国地域で0.5~0.75%の大幅な利上げが行われたにもかかわらず、平静だ。加えてアメリカでは、先週もジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長を含む連銀高官の発言が多かった。

発言内容は、これまでと変わらず「インフレ抑制に重きを置き、積極的な利上げを続ける」といったものだ。少し前までは、「インフレ抑制のため大きく利上げする」といった同じ内容の発言が繰り返されるだけでも、「金利が大いに上がって大変だ」という騒ぎになっていた。しかし先週からは、「これまでと同主旨の内容だから、とくに驚くことはない」といった株価の動きになってきているようだ。

物色内容も「リスク追求型」に?

株式市場における物色内容も、じわりと底流に流れる明るさを反映しているようだ。教科書的には、株式市場において悲観が広がると「寄らば大樹の陰」と、成長性に欠けても業容が安定している大企業に資金が逃避し、大型割安株の株価が相対的に堅調となる。逆に楽観方向に心理が振れると、リスクを冒してでも投資収益を得ようとの行動が盛んとなり、小型成長株が相対的に上昇力を高める。

最近の日本市場においては、東証プライム指数と比べて、スタンダード指数やグロース指数が優位に推移することが増えてきている(繰り返しになるが、これはあくまで「相対的な」株価推移の議論だ)。

アメリカでは、S&P500種指数のバリュー指数とグロース指数がある。そこで「バリュー÷グロース」の比率を各週の平均値で見ると、昨年12月初旬には0.45倍と、近年の最低値(グロースが株価面で極めて優位)となっていた。これは時期的に、ナスダック総合指数の高値近辺でもあった。

そこから投資家の警戒感が広がり、小型成長株の調整色が際立って、同比率は5月下旬に0.57倍にまで上昇した(グロースが不利)。ただ、そこからはグロース株が巻き返し始め、最近は0.51~0.54倍でおおむね推移している。

このところは、同国の一部の半導体企業の業績見通しの下方修正があった。また、画像用半導体の大手企業エヌビディアが政府から一部の半導体製品について対中輸出制限を通告されるなど、悪材料が多く現れた。それにもかかわらず、グロース株の株価全般はしっかりと推移しているといえる。

以上のように、市場動向などの明るい動きがさまざまな形で現れていることも踏まえ、「壮大な単なる買い戻し」は意外と長い期間、大幅に続くものと予想している。

(当記事は会社四季報オンラインにも掲載しています)

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