ドルがアジアの外為市場を席巻、軒並み通貨安に FRBのタカ派姿勢による米金利の上昇がマネー吸引

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ドル高が7日のアジアの外国為替市場を席巻している。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局が政策金利をさらに引き上げて、しばらくの間高水準に据え置くとの見方が債券市場に浸透し、ドル押し上げの新たな追い風となった。

実質金利の指標である期間10年の米インフレ連動国債(TIPS)利回りが過去最も急速なペースで上昇したことを受け、ドル指数は最高値を付けた。円相場は対ドルで24年ぶり安値を更新し、中国人民元は心理的節目の1ドル=7元割れ目前となっている。

  

フィリピン・ペソは最近最安値を更新、マレーシア・リンギットもアジア通貨危機以来の安値を記録。韓国ウォンやシンガポール・ドル、ニュージーランド・ドルも少なくとも2年ぶりの安値を付けた。

米連邦準備制度の極めてタカ派的な政策運営姿勢と、日本銀行および中国人民銀行(中央銀行)の姿勢との相違は好対照となっている。日銀は世界で最もハト派的な政策を推し進め、人民銀は元安のペースを和らげようとしつつ、「ゼロコロナ政策」に基づくロックダウン(都市封鎖)の打撃を受けた経済のてこ入れのため一連の刺激策を講じている。

三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、「徐々にグローバルなドルの供給が絞られてきている中で、当然経済の弱いところからこのマイナス面がどんどん顕在化していくとみている」と述べた上で、アジア通貨は「じりじりと下押しされていくだろう」との見解を示した。

  

 

原題:

Fed Effect Rips Through Asia as Currencies Hit Multi-Year Lows(抜粋)

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著者:Garfield Reynolds

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