「生きづらさを感じた心をラクにする」3つの対策 私たちが唯一コントロールできる「今」を大切に
過去の後悔、未来の不安、思い込みにエネルギーを使うのではなく、「今できること」に全力を注いでほしいと思います。世の中、自分の力ではどうにもできないことがたくさんあります。そんなときはあれこれ考えを巡らすのではなく、自分が「今できること」を淡々とこなしてみてください。いつか答えにたどり着くはずです。
この一息で「今この瞬間」を実感
仏教には「而今(にこん/じこん)」という言葉があります。「この今」という意味です。誰しも、「今この瞬間」しか生きることができません。昨日の自分はもうすでに死んでいるのと同じです。人は、一瞬一瞬、命を削って生きているのです。
だからこそ、
「今」は何をすべきなのか?
「今」幸せを感じているのか?
「今」の生き方に満足しているのか?
あらためて自分の心に問いかけてみてください。
現在、生き方に満足している人は、きっと自分の信じる道を、使命感を持って進んできたのでしょう。悩みながらも自分や周りを信じて、一瞬一瞬を無駄にせずやってこられたのだと思います。それはとても素晴らしいことです。
今、幸せを感じていないという人でも、焦る必要はありません。今この瞬間から前を向いて、一歩を踏み出していきましょう。「何をすればいいのかまったく見えない」という人もいるでしょう。そんな方におすすめなのが、坐禅中と同じように呼吸に意識を向けることです。
まず、姿勢を正してください。お腹に手をあてて、息をお腹からゆっくりフーっと吐き出しましょう。細く、長〜く吐き出してみてください。まだまだです、「もうこれ以上吐き切れない」というくらい吐いてください。
どうですか。苦しいので空気を吸いたくなるのではないでしょうか。どうぞ吸ってください。生きようとする人間本来の力が働き、身体が本来の状態に戻ったような感覚になるはずです。
これが、人間の本来持っている力です。人は無意識のうちに呼吸をしているので普段はそのありがたみを忘れてしまいますが、私が見ていると、呼吸が大変浅くなっている人が、近年特に増えているような気がします。私も、坐禅会などで法話をしていると、一生懸命話しているうちに呼吸が浅くなり、いつの間にか口呼吸になってしまいます。
呼吸を意識することは「この一息で生きている」ことを実感するために非常に大切です。
なかには呼吸法なんてやっている場合ではないくらい、余裕のない方もいらっしゃるでしょう。しかし、そんな方にこそ試してほしいのです。
人生には自分の力ではどうにもできないことがたくさんあります。しかし呼吸は自分自身でコントロールすることができます。深く呼吸をすることで気持ちも落ち着きますし、自分の感情をコントロールする感覚もつかめるでしょう。
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