「生きづらさを感じた心をラクにする」3つの対策 私たちが唯一コントロールできる「今」を大切に
「たかが呼吸」と思わずに、ぜひ、1日のどこかで心を落ち着かせて腹式呼吸をする時間を設けてほしいと思います。ゆっくりと呼吸を繰り返しているうちに、自分のやるべきことが見え、余裕も出てくるはずです。
ひたすら1つのことばかりしていることを、「〜ざんまい」と言いますよね。「今日は1日ゲームざんまいだったな」「明日から旅行で、温泉ざんまいだ!」などと言ったりしますが、この「ざんまい」という言葉は仏教の「一行三昧(いちぎょうざんまい)」に由来しています。全身全霊をこめて1点に集中して雑念を取り去りましょう、という言葉です。
三昧(ざんまい)に生きるということ
誰でも、「ざんまい」は実践できますが、意識しないとできません。
まずは、できそうなことを探して、ひたすら打ち込んでみましょう。料理を作るのが好きな方なら、料理本を買って掲載順に料理を作ってみる、でもいいですし、映画を観るのが好きな方なら1日1本ずつ毎日映画を観る、でもOK。もちろん、仕事が好きな方は仕事に打ち込むのもよいでしょう。単純に、自分が楽しめるものを続けてみましょう。ずっと続けていけば、いつか何かをつかめる日が来るはずです。
習い事など、以前からやってみたかったことに取り組むのもいいでしょう。やったことがなくても、はじめは真似事からでOKです。
私たち僧侶も同じです。はじめは衣の着方、お袈裟のつけ方など何もわかりませんが、人が着ている姿を見て真似ることで、徐々にさまになってきます。高僧として名高い大本山永平寺第78世宮崎奕保禅師さまも、「はじめは真似事でいい。真似を一生続けたら本物になる」とおっしゃっておりました。
どんなことでもそうですよね。はじめはできなくても、できる人のやり方を見て、そのまま真似ることで、できるようになります。
学校や職場で嫌なことがあると、一行三昧するのが難しい場合もあるでしょう。そんなときは「もっと楽しい場所はないか」「心の平穏を保てる方法はないか」と問いかけるようにしてください。
「小説を読んでいるときだけは現実を忘れられる」「好きなアーティストの音楽を聴いたり、ライブに行ったりするときだけは嫌なことを忘れられる」といったことに気づくことができたら、その「ちょっとした逃げ道」があなたの心を守ってくれます。
誰にも、あなたの心の平穏を乱す権利はありません。少しでも心が楽な状態になるように、工夫してみてください。それは物事から逃げているのではなく、人として心穏やかに生きていくうえでとても大切なことです。
夢中になれるものがない人でも、無心になれること、リラックスできること、ときを忘れて楽しめるものはありませんか? 筋トレでも、掃除でも、コーヒーを淹れるでも、何でもOKです。好きでもないことを考えて1日を終えるのは、とてももったいないです。時間というのは命そのものですから、楽しいこと、夢中になれることに時間を費やしましょう。
「毎日映画を観る」と決めて、1日1本でも見続けたら、3年後には1095本。それだけの映画を観たら、もしかしたら何か仕事にできるかもしれません。それほど「1つのことに打ち込む」のは人生に影響を与えるのです。
途中で飽きたらやることを変えたっていいのです。まずは一行三昧できることを探してみましょう。
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