タカタは、なぜ「悪人呼ばわり」されるのか 米当局とのミゾは深まるばかり
2015年3月期の通期予想でもリコール費用の影響で最終損益は310億円の赤字となる公算だが、売上高は前期比11.3%増の6200億円、営業利益は6.6%増の280億円と増収増益の見通し。これは自動車部品という事業の性質上、現行車種はもちろん、開発中の車種でもタカタ製部品を急に他社製に切り替えることは難しいからだ。
すでにエアバッグのインフレータ(ガス発生装置)では、すでにタカタを外す動きが顕在化している。ホンダは昨年12月、ダイセルやオートリブ(スウェーデン)に交換用インフレータの生産を要請。こうした受注増加もあってか、ダイセルは2月20日、米国で2拠点目となる新工場の建設を発表した、量産開始は2015年度末の見通しだ。早々の置き換えは難しくても、タカタが築き上げたインフレーターのシェアは確実に低下していくはずだ。
取引先からも不満の声
シェアの落ち込みがエアバッグの一構成部品であるインフレーターにとどまれば、タカタが受けるダメージは限定的だ。しかし、米当局によって「安全を軽視している」というレッテルを貼られることで、エアバッグ全体やシートベルトといったビジネスへの悪影響も懸念される。
顧客である自動車メーカーからもタカタへの不満が漏れ聞かれる。大手の首脳は、「タカタの動きが遅い。(問題について)きちんと説明していない」と苦言を呈する。NHTSAの強硬姿勢には、自らへの批判をかわす防衛的な側面があることは否定できない。だが、タカタの消極姿勢が、当局のみならずさまざまな関係者を苛立たせていることも確かだ。
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