やる気ない部下を嘆く上司のほうが実はダメな訳 本当に必要なのは「やる気」ではなく「やる理由」

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まず、みなさんのイメージで「やる気がある人」とはどんな人なのでしょうか。人間には「やる気スイッチ」のようなものがあって、それが押されていないと仕事をしない。そして、それを押すのが上司の仕事と考えている人も多いのではないでしょうか。

では、みなさんが自分たちのことを振り返ってみたときに、やる気に満ちあふれて毎日仕事をしていますか。最初から最後まで同じやる気を持って仕事に取り組んでいますか。そうですよね。別に、やる気に依存して仕事しているわけではないはずです。

ここでみなさんの誤解を解くためにいうと、必要なのは「やる気」ではないのです。人間は「やる理由」があればやるのです。

どんなメリットがあるのか明確でないと行動しない

少しだけ、脳科学の話をさせてください。やる気というのは、脳の中で言うと「島皮質(とうひしつ)」というところが関係しています。これは、大雑把にいうと人間の「損得勘定」を司るところです。

「なかなかやる気が出ない」という人は、ここが働きすぎてしまっているケースが多いです。損得勘定が強いので、「なんでこれをやらなければならないんだ」という思いが先行してしまう。逆に何にでもやる気になれる人というのは損得勘定をそこまで実践しない人なので、「なんでやるのか」がなくても実行できてしまう、ということです。

要するに、やる気がないように見える部下は、「やる気がない」のではなく「やる理由がない」から行動しないのです。

「これをやることによって、会社として、または個人として、どんなメリットがあるのか」

それが明確になっていない状態で「そんなことを考えずにやれ!」というのは、実は大きな間違いなのです。

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