投資を当てにしないサラリーマン長者の共通心得 1億円以上保有の日本人は366万人と現実味

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日本企業では、将来が嘱望されるエリート候補も平社員のまま終わるノンエリートも同期で入社し、一緒に同じような仕事をします。そのため同期への強い対抗意識が芽生えて、同期の誰かが贅沢をすると、見栄を張って同じように贅沢をしようとします。

「同期の□□が今度、武蔵小杉のタワーマンションを買うらしい」

「あなたの同期の△△さんは、お嬢さんを私立中学に入れるらしいわよ」

「同期の○○が今度ハワイに旅行に行くらしいぞ」

人並みのことをしていたら、人並みの財産しか残りません。会社の同僚、とくに同期を強く意識して無駄な支出をしてしまうのが、大半の会社員が億万長者になれない大きな理由なのです。

本多静六に学ぶ

今回インタビューした5人は、見栄を捨て、確固たる信念で節約生活を続け(さらに着実に投資して)、サラリーマン長者になりました。では、こうした節約生活をするようになったきっかけがあったのでしょうか。

新田良平さんと松本早苗さんは、本多静六著『私の財産告白』を読んで衝撃を受け、浪費生活を止めて節約生活を始めたそうです。「是非一読を」ということでした。

本多静六(1866~1952)は東京大学教授の林学者で、日本の元祖・サラリーマン長者です。若い頃から給料の4分の1を貯金し、それを株や公共事業に投資して巨万の富を築きました。『私の財産告白』などの著作で「見栄を捨て生活を合理化する」ことを強く勧めています。

インタビューした5人や本多静六を見ると、会社員が億万長者になるのは「簡単なことではないが、決して不可能ではない」と言えそうです。次回は、サラリーマン長者になるための「収入を増やす」方法を紹介します。

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