なぜウクライナで代理出産?選んだ日本人の葛藤 すでに60人以上の子が誕生、エージェントも複数存在
息子は生後すぐ代理母から引き離されていた。息子の世話をしながら現地で1カ月ほど過ごした間は、日本語を流暢に話すウクライナ人スタッフが支援してくれたという。
1歳になった息子の子育ては「最高に幸せ」とcharさんは語り、夫のkororiさん(ハンドルネーム)とともに子育ての日々をブログでつづっている。
費用はどの程度だったのか。charさんによると、新型出生前診断(NIPT)の費用も含めてエージェントに支払ったのが700万円弱。ほかに採卵や顕微授精、凍結保管などに70万円強、凍結胚輸送などに約60万円。渡航費、現地での滞在費などもあり、合計約1000万円かかったという。
法的な親子となるための手続きは?
法的な手続きはどうなったのだろうか。日本では出産した女性が法的な母親となるため、charさんは息子と遺伝的つながりがあっても「実母」ではない。ウクライナでは正式な代理出産の契約によって子どもが生まれた場合、親権は依頼者夫婦にある。
こうしたことから、胎児の段階で夫が子どもを認知し、ウクライナで息子が生まれたことを確認した後、日本の役所に夫を父、代理母を母とする出生届を提出した。代理母には「親権を放棄する」趣旨の書類にサインしてもらった。
これらの書類を整えて出生届を出すと、役所から法務局に照会がある。そこをクリアすると、出生届は正式に受理され、子どもの名前が戸籍に記載される。charさんの息子もその流れで戸籍を得た。
戸籍謄本をウクライナに送り、現地の日本大使館で息子のパスポート代わりとなる「渡航書」を発給してもらった。そして、生後間もない息子を連れて帰国した。その後、特別養子縁組が成立し、今はcharさんと息子は法的にも親子となった。
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