楽天モバイル、「初の契約者純減」の先に待つ関門 競合キャリアやMVNOへ「0円ユーザー」大量流出

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これまでは、電波の周波数免許は、一度割り当てられたら各社とも更新して使い続けるのが基本だった。が、2022年6月に改正電波法が成立したことで、総務省の審査を経れば別の事業者に割り当てることが制度上できるようになった。

現時点で楽天モバイルにプラチナバンドが割り当てられるかは不明だが、それを求める同社にとって再割り当ての仕組みが整ったのは大きな一歩と言える。

目標達成時期は明言せず

戦ううえでの環境整備と同時に、自社の強みを生かせるかも大事な点だ。2022年10月に法人向けの携帯通信事業を開始する。楽天はグループ全体で約40万社の取引先があるが、そのうち10万社以上は楽天モバイルへの切り替えを見込めると試算しており、契約数を伸ばすきっかけになりうる。

楽天モバイルの業績推移

楽天グループは、モバイル事業で2023年中の単月黒字化を目指している。モバイル事業は今後、地域別の特性を生かした広告やイベント実施などにより、契約獲得を進める方針だ。

今回の決算会見で、三木谷社長は将来的に楽天モバイルの契約数を1200万まで増やすという目標を初めて明かした。電気通信事業者協会の調査(2022年6月末時点)によると、楽天の競合キャリアの回線数は、NTTドコモが8524万、KDDIが6167万、ソフトバンクは4873万。それらに比べるとまだ少ないものの、現状比では2倍以上となる計算だ。

ただ、1200万契約の達成時期について問われた三木谷氏は明言を避けた。達成の見通しを見極めるうえでは、プラチナバンドをめぐる動きや独自の営業施策の展開がカギを握りそうだ。

高野 馨太 東洋経済 記者

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たかの けいた / Keita Takano

東京都羽村市生まれ。早稲田大学法学部卒。在学中に中国・上海の復旦大学に留学。日本経済新聞社を経て2021年に東洋経済新報社入社。担当業界は通信、ITなど。中国、農業、食品分野に関心。趣味は魚釣りと飲み歩き。

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