定期券、「他社線を挟む区間」をお得に買う方法 前後の区間を「統合」すると安くなることがある

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さて、都営地下鉄にもこういう「途中に別路線を挟む」区間、ありますよね?山手線の外側へはみ出している区間同士なら、先の例と同じように統合すればお得に通勤できる。例えば都営浅草線の西馬込から、途中にJR山手線を挟んで都営大江戸線の西新宿五丁目へ通勤するケースだと、一般的には以下のようになる。

都営浅草線・西馬込―五反田間:7940円
JR山手線・五反田―新宿間:5270円
都営大江戸線・新宿―西新宿五丁目間:6860円
合計:2万0070円

これが、都営地下鉄の区間を統合すると以下のようになる。

都営浅草線・大江戸線(大門乗り換え)1万1910円
JR山手線・五反田―新宿間:5270円
合計:1万7180円(2890円安い)

こちらも月2890円のコスト削減だ。しかも、この定期券なら大門経由で帰って、途中の六本木で遊んで帰ることもできる。

さらに言えば、JR区間は五反田より先、大崎まで延長しても金額が変わらないので、新宿―大崎間の定期券にしておけば休日にお台場へ出かける際、運賃が往復272円節約できる。

お得にならない場合もある

ただ、これまで紹介した方法ではお得にならない場合もある。前後の区間が東京メトロで、途中に都営地下鉄を挟むケースだ。

例えば、地下鉄豊住線建設の期待高まる錦糸町から豊洲までのルートを考えてみよう。錦糸町から半蔵門線、清澄白河から大江戸線、月島から有楽町線を乗り継ぐ形だ。これを水天宮前・人形町乗り換え→日比谷線→築地・新富町乗り換えという形で東京メトロの区間を統合すると以下のようになる。

東京メトロ半蔵門線・日比谷線・有楽町線:7800円
都営大江戸線:7210円 
合計:1万5010円

だが、両端が東京メトロの路線で中間に都営地下鉄を挟む場合は、メトロ区間の運賃を通算したうえで乗継割引が適用されるため、この区間だと1万2040円となり、上記の例より2970円安い。この場合は、メトロの区間を統合するメリットはない。

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いかがだったであろうか。昨今の物価高で節約意識が高まっている方も多いのではないだろうか。筆者も最近は「半額の総菜を買いあさるのダー!」と言って閉店前のスーパーに突撃する日が増えたかもしれない。共感いただけた方はぜひご一緒に、ケチの美学で、乗り切ろうではありませんか。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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