宮本笑里「すぐに消えると言われた」彼女の現在地 スタッフやリスナーに支えられて迎えた15周年
――ちなみに、クラシックは歴史のある音楽です。造詣の深い方からの意見は、どのように捉えますか?
宮本:クラシックは勉強してもしても終わりのない音楽なので、いろいろな方からお話を伺うのは、とてもありがたいです。ただ自分の演奏に関して細かく指摘されると、ちょっと心が折れるかなって(笑)。
でも、人間ってつい自分に都合のいい部分だけを切り取って解釈してしまいがち。厳しい意見をいただくことで、自分の成長点が見つかることもあるので、最終的には素直に拝聴します。
――その謙虚な姿勢が、15年にわたる活躍の秘訣ですね。
宮本:周囲のスタッフやリスナーの皆さんに支えられて、なんとか15年目を迎えられたという感じですね。父からはデビュー当時「すぐに消える」と言われましたから(笑)。
実はそれは「初心を忘れずに活動しなさい」という励ましだったのですが。だから、絶対に後悔しないように、日々を大切に過ごした15年でした。
もっと気軽に楽しんでいただけるような活動ができたら
――20年、30年に向けてどんな活動を?
宮本:「これが宮本笑里だ」と一瞬にして認知していただける演奏力をつけるために、今後も努力を重ねていくだけです。
また、すでにほかのミュージシャンの方も尽力されていますが、「クラシック=敷居の高い音楽」というイメージを払拭させ、もっと気軽に楽しんでいただけるような活動ができたらと思っています。
――クラシックは、どんなときに聴くのがおすすめですか?
宮本:娘が勉強するときはモーツァルトを流しています。勉強がはかどるみたいで。私自身も読書中に流していると、分厚い本もあっという間に終わりますし。集中力を高めたいときにおすすめです。
――『LEON』読者にはクルマ好きも多く、ドライブ時はどうですか?
宮本:そうですね。運転中に向き・不向きな楽曲があるとは思いますが(笑)。アルバム収録の「木星」は、ラグジュアリーな空間を演出してくれそう。眠くなりにくく、かつうるさすぎずに、高揚感を与えてくれる。セレブ気分に浸れる感じでしょうか(笑)。
ヴァイオリニスト。東京都出身。14歳でドイツ学生音楽コンクールデュッセルドルフ第1位入賞。その後、小澤征爾音楽塾、NHK交響楽団などに参加し、2007年『smile』 でアルバムデビュー。2022年11月〜「宮本笑里15周年リサイタルツアー2022 “classique deux”」がスタート。東京公演は11月22日浜離宮朝日ホールにて。
http://emirimiyamoto.com
(文/松永尚久 写真/トヨダリョウ
スタイリング/森本美砂子 ヘアメイク/福島加奈子)
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