宮本笑里「すぐに消えると言われた」彼女の現在地 スタッフやリスナーに支えられて迎えた15周年
――本作をどんなふうに聴いてもらいたいですか?
宮本:ヴァイオリンを駆使しての“歌い方(演奏力)”って、楽譜があってそこにどう自分らしさを味付けするかということなのです。もちろんテクニックも大切ですが、それ以上に求められるのが、個性。
自分らしさがあるかどうかで、リスナーに伝わる力も大きく違ってきます。今回は、より多くの人に勇気を与えたり、寄り添えるような“歌い方”を心がけました。
新型コロナの蔓延をきっかけに、これまで気にしなかったささいなことで心が揺れてしまうことが多くなっていると思います。そういった試練を乗り越えて、新しい気持ちで日常を過ごす手助けができる作品になってほしい。
あまり深く考えずに耳にしてもらって、最後には自然に明るい気分になれたという反応をいただくのが一番うれしかったりします!
やりたいことをまっとうしている人は
どんな服を着ていてもカッコいい!
――コロナ禍は、宮本さんにとっても大きなものでしたか?
宮本:当初は、自分の活動がどうなってしまうのか不安になるたびに落ち込んでいました。そういうときに私も音楽を聴いて、心がリセットできた部分がある。音楽は偉大だなって思いました。
――宮本さんは結婚されてますが、理想のパートナー像について教えてください。
宮本:例えば、子どもが小さい頃の育児は付きっきりで、睡眠も十分に取れずに体がボロボロになってしまう。そういう状況を察して「ちょっとお茶でもしてきたら?」と言ってもらえるだけで、気分が安らぎます。実際は、気になるからお茶しにいかないかもですけど(笑)。
相手のことをちゃんと気にかけているという姿勢を示すだけで、和むこともあると思うんです。男性の、社会で闘ってるんだから家では解放されたいという気持ちもわかるので無理強いはしませんが、全部を他人事にされてしまうと、哀しくなります。ちょっとした気遣いを忘れないでほしいですね。
――どんな人に「カッコよさ」を感じますか?
宮本:自分のやりたいことをまっとうしようとする姿にカッコよさを感じます。それがみえると、どんな洋服を着ていても、カッコいいと思います。私の父がそういう人ですね。
つねに自分に厳しく向き合って、闘いながらステージに立っていた。その姿は生き生きとしていて、こういう人になりたいと私も憧れました。
――見た目も中身も素敵なお父様なんですね。
宮本:世界各地を転々としていたので家にいないことも多く、一緒にいるときは最大限の愛情を注いでくれたと思います。もちろんリラックスした姿を見せる場面もありますが、いつも自分の好きなことに集中していて、キラキラしている印象です。