「日本の技術」伝承、ジャカルタ地下鉄整備の現場 JRやメトロの専門家が「オーバーホール」を指導

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筆者もヘルメットをかぶり、靴を安全靴に履き替え、オーバーホールの現場を訪問した。

検修棟の内部にはMRT車両1編成が取り込まれており、そのうち3両は台車を分離して「ウマ」(台車を取り外した際に車体を支える台)を履いて車体が宙に浮いた状態、残りの3両は隣の線路に留置されたままだ。これは、まず前者3両については日本人専門家を中心にメンテナンスを行うとともにMRTJの作業スタッフに対するレクチャーや質疑応答を交えて進め、残る3両はMRTJの作業スタッフが中心になって同様の作業を進めていくためだ。

MRTJ車両オーバーホール
オーバーホールの現場。左側が台車を分離した車両、右側が線路上に留置された車両だ(筆者撮影)

筆者の訪問時は前者3両の作業中で、日本人専門家の一挙手一投足をMRTJの若い作業スタッフたちが熱心に見つめていた。前半部分は30日間、後半部分は25日間の作業スケジュールが割り当てられており、通常の全般検査時には6両で30日と設定しているところを見ても、「教える」という部分に時間が割かれていることがわかる。

日本とビデオ電話で相談も

車体、台車、ブレーキ、エアコン、パンタグラフそれぞれの持ち場には、ホワイトボードが設置され、その日のスケジュール、また作業内容が日本語、英語、インドネシア語で書き込まれている。ときには現場で判断がつかないこともあるが、そんなときはビデオ電話で日本の現場と繋いで検討する。国境を越え、日本とインドネシアが一丸となってMRTJを育てているのだなと感じずにはいられない。

3言語で書かれたホワイトボード
作業内容などが日本語・英語・インドネシア語で書きこまれたホワイトボード(筆者撮影)

事前のトレーニングも含めると2月17日にスタートしたオーバーホール作業は順調に進み、5月11日の夜間走行試験の完了をもって、山場を越えた。ルバックブルス車両基地の設備の問題(試験機の調整)で間に合わなかった作業があったそうだが、これも8月上旬にはおおむね完了し、一連の作業が終了した。

OMCS2自体は2023年12月までのプロジェクトであり、日々の運営維持管理活動に対してのアドバイスは今後も続く。とはいえ、この山場を迎えたことで、かつては専門家でいっぱいだったプロジェクトオフィスもだいぶ閑散としてしまい、再び同所を訪問すると、ちょっぴり寂しい感じではある。

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