ダイハツ「ウェイク」がたった1世代で終わる事情 タント上回る高さ183cmの大空間も決め手ならず
「なんだ? このクルマ?」
「あんちゃん、ウェイクだよ! ダイハツ、ウェイクだよ!」
数年前、よくテレビで流れていた、俳優の玉山鉄二さんをキャラクターに起用したポップな映像を覚えている人も多いだろう。ダイハツ工業の軽自動車でトールワゴン「ウェイク」のTVCMシリーズだ。
ダイハツのスーパーハイトワゴン「タント」(全高175.5~177.5m)を上回る183.5cmという背の高さを生かした荷室の広さや視界のよさを武器に、車中泊や長尺物の積載などができる利点を打ち出した内容が特徴的だった。
2014年発売のウェイクが生産終了に
そのウェイクが8月11日に生産を終了する。ダイハツの公式ウェブサイトで7月に発表された。販売店の在庫がなくなり次第、販売は終了。フルモデルチェンジすることなく、1世代限りのモデルとなる。
ウェイクは、2014年11月に発売された。その前年の11月に開催された第43回東京モーターショーで、「DECA DECA」(デカデカ)の名称で参考出品されたコンセプトカーの商品化である。英語の「wake=目覚める、目覚めさす」の意味から、「ワクワクした気持ちを呼び覚ますクルマ」との思いを表現したのが名前の由来である。
登録車のミニバンからダウンサイズを考える人にとって、タントでもまだ室内容量が足りないという不満が、聞き取り調査から得られたとして、軽自動車で最大の室内空間を狙ったというのがウェイクの主なコンセプトだ。すでに触れたように車体全高は183.5cm、そして室内高は145.5cmに達する。後ろのスライドドアの開口は170cm程度の高さがあり、大人でも容易に乗り込めるだろう。
発売当時、ウェイクと対面して驚いたのは、やはり背の高さであった。身長166cmの私よりはるかに高い。逆にあまりの高さに、走行が不安定にならないか心配になったほどだ。対策として、屋根の鋼板の軽量化や、車体外板の樹脂化、タイヤのパンク修理キットの床下搭載化などを行ったという。また、サスペンション取り付け部の剛性強化や、空力にも配慮をし、走行安定性を高める努力がはらわれた。
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