「夏休みは受験生も適度に遊べ」東大生が断言の訳 遊びでも「地頭」を鍛えることができる!

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いかがでしたか。東大生は、「さまざまな局面で、遊びながら地頭を鍛える」のが得意です。桜木先生の言ったとおり、「スイッチを切っていなければ」、いろんな学びを得ることができるのです。

机の上でだけ勉強していると、視野が狭くなって問題が解けなくなることがあります。しかし普段から身の回りのことから学ぶ姿勢を持っていると、視野が広がって、成績が上がっていくことが多いのです。

例えば朝、テレビでニュースを見ているときも地頭を鍛える訓練ができます。ウクライナの問題・憲法改正の問題・国際情勢・国内での災害……さまざまなニュースの裏側には、日本史や世界史・地理の勉強があります。

「ああ、そういえばこの話題は、この前世界史で習った、この事件と繋がるな」というように、勉強との繋がりを見いだすこともできるはずです。

意外かもしれませんが、東大生は受験生の時期であっても、ニュースやNHKの「クローズアップ現代」などのテレビ番組を見ていたという人は多いです。新聞の社説を毎日読んでいたという人もいますし、新書や論説文など、興味のある本を読んでいたという人もいます。

もちろん彼ら彼女らは、「勉強のために」それを見ていたわけではなく、それこそ「遊び」として見て、そこから学び取っているのです。

ゲームから学べることもある

ニュース以外に、ゲームから学べることもあります。最近学生はよくFPS(一人称視点のシューティングゲーム)やソーシャルゲームなどのオンラインゲームをプレイしていますが、ここで登場するセリフって意外と英語が使われています。ここから英語を勉強しているという人もいます。

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ゲームの舞台設定も勉強になる場合があります。僕も高校生のときに「ペルソナ4」というゲームをやっていたのですが、この舞台設定は「昔栄えていた商店街が、最近になって大型デパートができて商店街が衰退していき、その双方の間でいざこざが起こってしまっている地域」でした。

これは今の日本の、多くの地方都市で発生している問題であり、東大の地理の入試問題でも「最近シャッター通り商店街(=シャッターを下ろしたままの、衰退した商店街)が増えているのはなぜか?」というものが出題されたことがあります。

このように、遊びの中にも勉強になる要素はたくさんあり、かつ机の上だけではなく日常生活から学び取っていたほうが解ける入試問題も多いのです。

もちろん、ただ休んでいるだけでは意味がありません。ぼーっとスマホをいじっていればそれで地頭がよくなるというわけではありません。大事なのは、遊ぶときには全力で、ということです。ゲームでもテレビでも、全力で楽しもうと思ったときに、勉強の要素もそこに付け加えることができるということです。何事も、全力で何かに取り組んだときに、頭がよくなっていく、ということなのです。

みなさんもぜひ、遊びながら地頭を鍛えてもらえればと思います!

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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