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ゼネコンが奮起する「環境ビジネス」3つの領域 狙うはビル木造化、再エネ、環境配慮コンクリ

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企業側でも、環境に配慮した経営を加速させたいとの意向が年々強くなっている。冒頭のOKI本庄工場のように「地域に貢献したい」との考えから、地元木材の使用を要望するケースも増えているようだ。

「いまはオフィスビルや工場などの建物を新築、あるいはリニューアルする際は、顧客から必ずと言っていいほど『地域の木材を使えないか』という相談を受ける」と、梅森氏は明かす。コストとの兼ね合いで、結果的に木材の採用をやめる顧客もいるが、建築物の木造化に対する「引き合いは多い」(梅森氏)という。

ビルの木造化を進めていくうえで、今後の課題は量産化態勢への備えだ。大成建設には設計スタッフが全国に1000人ほどいるが、そのうち木造設計に対応できる人材は10数名程度しかない。梅森氏は「5年後には、設計スタッフ全員が木造設計に対応できるようにしたい」と意気込む。

都心に木造の高層オフィスビル

ビル木造化技術の開発ではスーパーゼネコンの竹中工務店が先行している。竹中は三井不動産と組んで、東京・日本橋に地上17階建ての高層木造賃貸オフィスビルを2025年に竣工する計画だ。

木造建築に強い住友林業も準大手ゼネコンの熊谷組と共同で、中規模木造建築ブランドを展開している。SDGs対応など環境意識の高まりを受け、オフィスビルや工場などの木造化ニーズはますます高まってきそうだ。

「再生可能エネルギー分野に進出したいのだが、何から手をつけてよいのかさっぱりわからない」。スーパーゼネコン・大林組にはここ数年、中堅ゼネコンの幹部からこのような相談が増えているという。

大林組は再生可能エネルギー事業を収益柱のひとつとして育成する方針で、急ピッチで展開を進めている。その動きは同業他社から注目され、ときには前述のようにアドバイスを求められることもある。

大林組の再エネ事業の特徴は、手がける分野の広さにある。2021年4月に新設した「グリーンエネルギー本部」を軸に、太陽光、バイオマス、陸上および洋上風力発電などを幅広く推進。加えて、大分県において地熱由来の水素の製造や、ニュージーランドにおいてメガワット級の水素製造供給施設の整備にも取り組んでいる。

大林組の大分県の施設では次世代エネルギーとして注目される水素を製造(写真:大林組)
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