株価急落「大成」ショック ゼネコン各社の業績急降下

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スーパーゼネコンの業績が足元で急速に悪化している。なぜか。

首都圏には大型再開発案件が複数あるものの、スーパーゼネコン間の受注競争が激化している。写真はイメージ(撮影:今井康一)

「大成さんはここまで悪いのか」

8月上旬、スーパーゼネコンのあるベテラン社員は、出そろった大手ゼネコンの決算資料を見比べて思わずうなった。

スーパーゼネコンの一角、大成建設は8月5日、今2022年3月期第1四半期(21年4~6月期)決算を発表した。その内容は、業界関係者が驚くほどのすさまじい落ち込みだった。第1四半期の営業利益は前年同期比80.7%減の33.8億円と大幅な減益。この水準は15年3月期第1四半期の営業利益15.8億円以来だった。

「大成ショック」ともいえる低調な決算内容に、株式市場も反応した。8月5日の同社株価は一時、前日終値比6.8%ダウンとなる3510円をつけた。その後も3500円前後で推移している。

大成建設はもともと、今期については厳しい見通しを公表していた。5月の期初時点で、今通期の営業利益は900億円(前期比31%減)と2期連続で減益になる計画を示していた。

その理由は、東京五輪関連の大型工事が前期までで一巡し、新規獲得案件も工事に着手したばかりのものが多く、利益寄与が少ないことだ。大成建設の経理担当者は「確かに今第1四半期は厳しかったが、これは当初から織り込んでいたこと。業績は(5月に見込んだ)想定線で推移している」と強調する。ところが、決算内容を見ると、同社が想定する以上に状況が悪化していることがわかる。それには競合他社と同様の環境の厳しさに加え、大成建設独自の事情が絡んでいる。

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