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精算課税を手直しして、非課税措置は縮減すべき 日税連のトップ、神津信一会長が税制に注文

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「相続税と贈与税の一体化」など、政府与党が打ち出した「税制改正大綱」には、税理士業界も注目している。

神津信一(こうづ・しんいち)/日本税理士会連合会 会長。1949年生まれ。80年税理士登録、神津信一税理士事務所(現神津・山田税理士法人)開設。2010年KMG税理士法人設立。11年東京税理士会会長就任。15年から現職。ほかに政府委員や企業の社外役員も。(撮影:梅谷秀司)

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2021年度税制改正大綱を受けて、日本税理士会連合会(日税連)の税制審議会は、22年2月に「資産移転の時期の選択に中立的な相続税・贈与税のあり方について」を答申。税に関する専門家、税理士の業界団体である日税連は、政府に何を望むか。神津信一会長に聞いた。

――答申には「現行の相続時精算課税制度を基礎として贈与税制を検討することが適当」とあります。どんな見直しが必要ですか。

相続時精算課税は2003年、贈与によって若い世代へ円滑に資産を移転することを目的にスタートしたが、利用は低迷している。この制度を選んだ後に基礎控除や税率が改正されると、当初の思惑とは反対に税負担が重くなる可能性があるからだ。納税者の予測と実際の課税に乖離があると、税制全体への信頼を損ないかねない。

例外的な措置を講じる必要も

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