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実録あの「マンション節税」はなぜ失敗したのか? 銀行内部文書で発覚、相続税ゼロは認められず

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立ち並ぶ高層マンション
一部の資産家に広がっていた、マンション購入を活用した相続節税。しかし国税当局からは近年、厳しい視線が注がれている(写真と本文は関係ありません)(写真:kurosuke/Shutterstock.com)

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決め手は銀行の“内部文書”だった。

2022年4月19日、最高裁判所。相続税対策をめぐる訴訟で、時価を基に追徴課税を行った国税当局の勝訴が確定した。相続した不動産は通常、路線価などを基に評価額が算定される。路線価は時価より低いことが多いため、現金を不動産に換えて相続税を申告すれば税額を圧縮しやすい。

典型的な相続税対策に待ったをかけたのが、今回の最高裁で争われた事案だ。時価と評価額の著しい乖離を理由に、国税当局が不動産価格を独自に評価し、相続税額をはじくことが容認された。

実は同19日には相続税対策をめぐって、最高裁は「2件」の判断を下しており、いずれも原告である相続人が敗訴した。共通しているのは、融資を行った銀行の内部文書を国税当局が証拠として提出し、不動産購入が明らかな相続税対策だと裁判所が認めた点だ。

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