82歳のペロシ下院議長が台湾訪問「強行」した訳 バイデン大統領の懸念や中国の脅しもあったが

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彼女は香港やチベットの権利を擁護する法案をたびたび議会に提出してきたほか、チベットの精神的指導者ダライラマ14世を連邦議事堂に招待したこともある。北京オリンピックの外交的ボイコットも要求していた。

クリントン元大統領が中国に対して貿易における最恵国待遇を付与し、これを維持しようと働きかけていたことに対してペロシは繰り返し反対した。元大統領はこれが国際的な関与を通じて中国国内の人権問題が改善される政策であると訴えていたが、ペロシ下院議長は真っ向からその主張に反対していたのである。

「中国政府の権力を強める政策をとり続けることで、アメリカは、実は中国の人々や彼らの夢と希望が抑圧されることを助長している」とペロシ下院議長は1997年にクリントン政権を非難しながら述べていた。

ペロシ下院議長を敵視してきた中国

中国はペロシ下院議長の度重なる批判を注視してきた。彼女が昨年オリンピックのボイコットを訴えた後、外交部高官は彼女が「嘘や虚偽情報」を広めており、人権問題にかこつけて「中国を中傷しその名誉を毀損するため」の「卑劣な政治的ゲーム」を楽しんでいる、と非難していた。

ペロシ下院議長の中国に対する態度は、彼女が基盤とするサンフランシスコの選挙区のアジア系有権者の存在だけでなく、委員長を務めた時期も含めて下院情報委員会に長期にわたって在籍してきた経験にも裏打ちされている、と彼女を擁護する人々は言及する。

「これは彼女が33年間やり続けてきた仕事とリーダーシップの継続である」と、ペロシ下院議長の首席補佐官を務めた経験を持ち、現在は米中経済安全保障調査委員会のメンバーであるキャロリン・バーソロミュー氏は語る。

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