82歳のペロシ下院議長が台湾訪問「強行」した訳 バイデン大統領の懸念や中国の脅しもあったが

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中国政府からの反発やバイデン政権が表明した懸念によって、ペロシ下院議長が、台湾訪問を思いとどまることを期待して、ペロシ下院議長の訪問をリークしたのだとしたら、それは大きな誤りだとペロシ下院議長の支持者は話す。

マサチューセッツ州のジム・マクガヴァン下院議員は、過去、中国の人権問題で、ペロシ下院議長と協力し中国を訪問したことがあるが、「(中国は)攻撃する人を間違えている」と述べた。「ペロシは怯むことのない人だ。脅しには屈しない」。

中国に対する筋金入りの強硬姿勢

中国政府の脅しとアメリカ政府の懸念にもかかわらず、訪台を断念しなかったことは無謀ともいえるが、チベットや香港の問題、ウイグル族の弾圧、政治活動家の投獄など、中国政府の責任を問うべきというペロシ下院議長の人権擁護における中国批判の立場に沿ったものであると言えるだろう。

大統領権限の継承順位が副大統領に次ぐ2位にあるカリフォルニア州選出の民主党議員らしくもある。ペロシ下院議長は、敵対勢力からの公然の脅しに屈することはほとんどないし、時には相手が彼女の気骨を思い知らされることになる。

82歳のペロシ氏は、今議会で下院議長の職を辞すと述べているが、中国に対する筋金入りの強硬姿勢など、自身のレガシーも見据えている。

ペロシ下院議長は、ブッシュ、クリントン両政権時代から、中国との関係で生まれる経済的利益が、その人権の歴史に影を落とさせてはならないし、指導者に対する激しい批判を抑圧させてはならないと主張してきている。

「経済的な不安を理由として中国における人権問題に対して声を上げないのであれば、わが国は世界のどこにおいても人権について語る道徳的権威を失うことになる」とペロシ下院議長は天安門事件32周年にあたる昨年語っていた。

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