BDレコーダー、新機能「全録」の実力は? 広がらない「事前予約が不要」の認知

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全録機種を投入しているのは東芝とパナソニック。東芝のハイエンド機種「レグザ DBR-M490」では、6チャンネルの全番組が17日間連続で自動録画される。同様にパナソニックの「ディーガ BXT970」は、最大10チャンネル分、21日間連続で自動録画される。

メーカー側も「徐々に広がってきている」(パナソニック担当者)と手応えを感じている様子。価格帯は10万円以上の機種が一般的で、本格普及すれば価格押し上げ効果も見込める。

全録のシェアはまだ1%

全録機種は、ユーザーの視聴スタイルを大きく変える。従来は見たい番組を事前予約するスタイルだったが、全録機種では世間で話題になった番組を後で振り返ったり、気になる番組だけをまとめて視聴できたりする。

ただ、全録機種の販売台数は、市場全体のまだ1%程度とされる。ビックカメラ有楽町店によれば「お客様に十分認知されているとはいえず、本格普及に至っていない」。

放送された中から、好きな番組をいつでも見られるというのは、昔から見れば夢のような話である。

だがスマートフォンの普及で、いつでもインターネットとつながる状況下では、その魅力の訴求も一筋縄ではいかないようだ。そこで、スマホ経由の視聴機能など、メーカー側は新機能を続々投入している。

BDレコーダーにどう振り向かせるか。各社の悩みは、底は打ったが反発しきれない値動きに表れている。

(「週刊東洋経済」2015年2月21日号<16日発売>「価格を読む」を転載)

許斐 健太 『会社四季報 業界地図』 編集長

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このみ けんた / Kenta Konomi

慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長を経て、『週刊東洋経済』副編集長として『「食える子」を育てる』『ライフ・シフト実践編』などを担当。2021年秋リリースの「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー、2022年秋より「業界地図」編集長を兼務。

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