「タスク管理できない」と悩む人の大きな勘違い 「仕事はマルチタスクで乗り切れる」に潜むワナ

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頭の中にある気になることを書き出したとして、複数の気になることを優先順位に沿って並べ替えるだけでも判断力が必要です。13時開始の社内会議までに、必要な資料を用意したり、必要な情報を集めたりしなければなりません。

予定やタスクをどのように組み合わせるかは、自動的には決まらないのが現実です。タスクを一元化しようと、何でもかんでも手帳に書き込んだり、カレンダーに集約したりすると、非常にわかりにくくなり、タスク管理をするどころか、手帳を見るのさえイヤになってしまいます。

誤解② 仕事はマルチタスクで乗り切れる

マルチタスクに対してどのようなイメージを持っているでしょうか?

  • 電話をしながら書類整理を進める
  • 企画について考えながらメールの返信をする
  • 複数のプロジェクトを並行して進める など

おそらく、このようなイメージを持っているかもしれません。このように、人はマルチタスクをいろいろな意味で使っており、知らないうちにマルチタスクの罠にハマり込んでいることがあります。

マルチタスクの罠とは、私たち人間はいかに頭が良くても、優秀でも、天才でも、一度に1つのことしか実行できないということです。しかし、実際は一度に2つの仕事を振り分けられたり、2つ以上のプロジェクトを並行して進めなければならなかったり……。

つまり、いつの間にかマルチタスクをしなければならない状況になってしまうのです。多くの人は2つ以上の仕事に直面したとき、どの仕事からするべきか混乱したり、1つの仕事をしていても他の仕事が気になったりしてしまいます。

そして、マルチタスクで乗り切ろうと同時に2つの仕事に取り組んだものの、一度に1つのことしか実行できないため、結局どちらの仕事もほとんど進められず、時間をムダにしてしまうのです。先ほど、「人間は一度に1つのことしか実行できない」とお話ししました。

もしかすると、あなたの周りにいる“できる人”の中には一度に2つや3つものことを実行している人、マルチタスクをしているように見える人がいるかもしれません。

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