55歳で婚活挑戦「恋愛ほぼ未経験女性」の前途多難 「孤独死はイヤ」だが理想の相手に巡り会えず…

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「やすおさんがレジで3000円出したのですが、私に『細かいの、300円ありませんか?』って聞くんです。消費税分の300円。硬貨がなかったのでしょうが、何かすごくお金に細かい人だなという印象を持ってしまって」

仲人として、これまで多くの中高年婚活者を見てきたが、初婚の男性ほどお金に細かい傾向にある。これまで自分にしかお金を使ってこなかったからか、女性にごちそうして2人分払うとなると、金額が2倍になるのを単純に“高い“と感じてしまうのかもしれない。

また、女性の前で良いところを見せようとか、格好をつけようとかという気持ちが欠けている人も多い。恋愛慣れしている男性なら、女性に小銭を払わせるようなことはしないし、持ち合わせがなかったら、カードでスマートに会計を済ませているだろう。

そして、みよこは言った。「こんなことを言ってたら、私、誰とも結婚できないですかね」。

私はこう答えた。「でも、そこが気になるなら、交際は終了にしましょう。お金のことを言う男性は、そういう会話のクセがあるのだから、今後も何かにつけてお金のことを言いますよ。今そこが気になっているのだから、今後もお金の話をされるたびに気になってしまうと思うの。お相手を男性として好きにならなければ、結婚したいという気持ちになりませんよね。まずは、好きになれる男性を探しましょう」。

胸毛を見たら気持ちがスーッと引いた

そこからみよこはいくつかのお見合いをしたが、なかなか交際に入る相手に出会えなかった。断ったり、断られたりが続いていたのだが、ひとし(56歳、仮名)とはお互いが交際希望を出し、仮交際に入った。

ところが、3度目のデートを終えたときに、今度はこんな連絡を入れてきた。

「手や腕がものすごく毛深いのが、お見合いのときから気になってはいたんです。先日の日曜はシャツを着て来られたんですが、暑かったからか、シャツのボタンが第二ボタンまで開いていて。そこから胸毛が見えたんです。全体的に毛深い方なのだと思います。それを見たら、何だか気持ちがスーッと引いてしまった。それからというもの、あちらがどんな話をされても、もう胸毛にばかり目がいってしまいました」

やすおのときのように、お金の高い安いなど値段のことは言わず、端数の小銭を払わせることもなかったのだが、今度は胸毛を受け入れることができなかったという。

「私、自分のことを棚に上げて、こんなんじゃ、永遠に結婚できませんよね」。みよこは大きなため息をついた。

年齢を重ねてくると、自分のライフスタイルができあがっているし、考え方も柔軟ではなくなっていく。恋愛経験も少ないままに年を重ねてしまった女性は、見た目は中年でも、恋愛に対する考え方は思春期の少女のように幼い。相手は中年男性なのに、どこか王子様的な要素を求めてしまうところがある。ケチだったり、毛深かったりと現実を見せつけられると、そこから先に気持ちが進めなくなる。

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