キヤノン、3337億円で監視カメラ買収の狙い 監視カメラ世界首位の会社を買収
[東京 10日 ロイター] - キヤノン<7751.T>は10日、監視カメラ世界首位であるスウェーデンのアクシス<AXIS.ST>を買収して完全子会社化すると発表した。同社の発行済み株式の全株取得を目指し、3月初旬に公開買い付け(TOB)する。買収総額は236億スウェーデンクローネ(約3337億円)。キヤノンにとって過去最大規模の買収となる。
一眼レフなど個人向けデジタルカメラ市場が縮小する中、キヤノンは、法人向けの監視カメラを新規事業の一環として育成。2013年1月に、デジカメ部門から独立して監視カメラの専門部署を設置し、昨年6月には、ビデオ管理システム会社、オランダのマイルストーンを買収するなど事業拡大を図ってきた。
調査会社IHSテクノロジーによると、2013年の監視カメラ市場における世界シェアは、アクシスが17.5%で首位、2位が中国のハイクビジョンで13.0%、3位がパナソニック<6752.T>で9.1%と続く。デジカメ世界首位のキヤノンは、アクシス買収により、監視カメラでもトップとなる。
スウェーデンのルンド市に本社を置くアクシス社は1984年に創業。従業員は1941人。2014年12月期の売上高は約770億円、当期利益は約76億円。
キヤノンはアクシス社の経営陣やブランドを維持して、監視カメラ事業を展開する。キヤノンのカメラ技術と、アクシス社が世界で展開するネットワークカメラ販売網の相乗効果をねらっていく。
アクシス社のTOB価格は、2月9日の取引所の終値に49.8%のプレミアムを乗せた。上場来最高値に対しても、35.6%相当のプレミアムになるという。
TOBは3月初旬めどに、スウェーデン証券監督当局に承認され次第始める。アクシスの創業者を含む上位3株主にはTOB応募の同意は得ているという。キヤノンは全額自己資金で買い付ける。
買収額の3337億円は、キヤノンにとって過去最大の規模。2012年に買収を完了したオランダのオセ社の買収総額(約1000億円)に次ぐ。
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(村井令二)
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