高齢者が働けば、全体の生産性は上がる 年金を減らせて若い世代の負担も軽くできる

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リカードの比較優位

イギリスとポルトガルの2国が、ワインと毛織物だけを生産していたとする。毛織物1反を作るのにイギリスでは100人日の労働が必要だが、ポルトガルでは90人日でできる。ワインを1本作るのには、イギリスでは120人日必要だがポルトガルでは80人日で済む。

毛織物もワインもポルトガルの方が少ないコストで生産できるのだから、イギリスはポルトガルに輸出するものがないように思える。

しかしこれは間違いで、1人日の労働でできる毛織物とワインが等価で交換されるとすると、貿易が行われる前はイギリスでは毛織物1/100反とワイン1/120本が交換されるのでワイン1本で買える毛織物は1.2反だ。ポルトガルでは毛織物1/90反とワイン1/80本が交換されているので毛織物1反でワインが1.125本買える。

イギリスから毛織物1反をポルトガルに持っていき1.125本のワインと交換する。これをイギリスに持っていくと1.125×1.2=1.35反の毛織物と交換できる。これをポルトガルに持ってくと1.51本のワインと交換できる…ということを繰り返せば大儲けができる。

何人日で生産できるかという生産コストの絶対的優位ではなく、それぞれの製品の生産コストの比率という比較優位が問題で、イギリスは毛織物を輸出しポルトガルはワインを輸出するほうがよい、というのがリカードの説明だ。

高齢者にできることをまかせる

誰でも経験を積むことによって次第に能力が高まるが、ある面では年齢が高くなることで次第に衰えることも避けられない。筆者自身、かつてのような速度で仕事ができないと感じることも多い。個人差が大きいだろうが、全体的に歳をとると、新しい考え方を取り入れたり、新しいものに対応したりする柔軟性が低下する傾向も否定できないだろう。

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