野口さん解説「ダイヤモンドでできた惑星」の実態 太陽系の外にある「系外惑星」はロマンの塊だ

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2012年、かに座-55eの表面はダイヤモンドと黒鉛でできているという研究が発表されました。地球はケイ素が多く、炭素の少ない環境ですが、かに座-55eは多くの炭素を含み、質量の3分の1以上がダイヤモンドだといいます。

その後 、こうしたダイヤモンドでできた惑星は、以前に考えられていたよりも多くあるのだともいわれています。

「かに座-55e」の想像図(©ESA/Hubble, M. Kornmesser)

熱い氷がある?海王星に似た謎の系外惑星

2004年に発見されたM型惑星「グリーゼ436」を回る系外惑星「グリーゼ436b」。質量が海王星に近い、新しい分類の系外惑星となりました。恒星の周囲を2.6日で公転し、地球の約22倍の質量をもっています。

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太陽系の惑星は大気にメタンを含むという共通点がありますが、グリーゼ436bは、メタンのあまり含まれない大気を持つという珍しい特徴を持っています。

表面温度は800Kと熱い惑星ですが、グリーゼ436bは木星のような巨大ガス惑星になるには小さく、岩石型の惑星になるには大きい、という解釈の難しいゾーンの大きさです。

そのため、液体が凍ったのではなく、圧力で固体になった「熱い氷」で惑星ができているという説がありますが、まだ裏づけられていない、謎をはらむ系外惑星なのです。

野口 聡一:1965年神奈川県生まれ。
東京大学大学院修了、博士(学術)。1996年宇宙飛行士候補に選出。2005年、国際宇宙ステーション(ISS)で日本人初の船外活動を行う。2009年にロシアのソユーズ宇宙船に搭乗してISS長期滞在。2020年、クルードラゴン宇宙船に搭乗し「3種類の宇宙帰還をはたした世界初の宇宙飛行士」としてギネス世界記録に認定。「宇宙からのショパン生演奏」の動画などでYouTube Creator Award受賞。
2022年から合同会社未来圏代表として次世代の育成に関わる。
野口 聡一 宇宙飛行士

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のぐち そういち / Soichi Noguchi

博士(学術)。1996年5月、NASDA(現JAXA)の宇宙飛行士候補者に選抜、同年6月NASDA入社。2005年スペースシャトル「ディスカバリー号」で、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在、3度の船外活動をリーダーとして行う。2009年、ソユーズ宇宙船に船長補佐として搭乗。2020年、日本人で初めて、民間スペースX社の宇宙船に搭乗、約5か月半、ISSに滞在した。4度目の船外活動(EVA)や、「きぼう」日本実験棟における様々なミッションを実施し、2021年5月、地球へ帰還。主な著書に『どう生きるか つらかったときの話をしよう 自分らしく生きていくために必要な22のこと』アスコム刊がある。

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